語楽カフェ

趣味としての外国語学習

2007-08-07

[]006号 ピーター流外国語習得術 12:36 006号 ピーター流外国語習得術 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 006号 ピーター流外国語習得術 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 006号 ピーター流外国語習得術 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 006号 -

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■はじめに

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みなさん、こんにちは。寅彦です。

四半期決算が終わって、ちょっとだけ余裕が出ました。

 

第6号をお届けします。

 

このメルマガの編集方針につきましては、創刊準備号をご覧ください。

こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

 

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■今週の本 「ピーター流外国語習得術」ピーター・フランクル

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買う??: ★★★☆☆

ご存じ、数学者/大道芸人のピーターさんの本です。

岩波ジュニア新書に収められていることからも分かるように、平易な文章で

高校生?向けに書かれています。

 

実行可能度: ★★★★☆

私も一部取り入れて勉強開始しました。

 

読んで頂きたい方: young and young at heart 若い方と、気持ちの若い方

 

「ピーター流外国語習得術」 

岩波ジュニア新書 1999.12  価格 777円

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4005003435/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

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■エッセンス

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・短期集中

・教科書は複数使う

・文学作品を読む。分からない単語はすべて辞書で引く

・独り言

 

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■内容

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「大学で数学の講義ができる程度に習得している言葉は、(略)  

11カ国語です。そのほかにインドネシア語も少しできますから、話せる

言葉は合計12カ国語になります」(「はじめに」より)

 

次々と新しい外国語を身につけていったのは、その言葉を話す魅力的な

女性の出現がきっかけだということです。

その女性に「すごい」と言ってもらいたくて短期間に集中することで

上達します。

モチベーションが重要だということですね。

 

著者の学習法のエッセンスは「語学学習のコツをまとめると」(52ページ)に

ありますが、興味深いものについて、以下にご紹介します。

 

・何冊かの教科書を使う

普通の教科書は何でも詰め込んでいて、基本的な単語をのぞけば同じ単語は

二度と出てこないことになっているので、ページが進んでも成長している

のかどうか分からない。別の教科書を開くと、前の教科書で学習した単語が

出てくるので、勉強したという実感がわくということです。(24ページ)

 

・分からない単語はすぐに調べる

学習の初期から文学作品を読むことを推薦していますが、「分からない単語は

すぐに調べて単語帳に記載する」ことを勧めています。

「四回も五回も出たところでついに『じゃ、しょうがない、調べようか』と

重い腰を上げる。そうすると結局四回の復習のチャンスを失ってしまう

のです」(39ページ)

レベルが上がってくると、覚えるべき単語と無視する単語を見極める必要が

ありますが(第1号の「外国語上達法」をご参照)、学習初期の読書に

おいては、「全部覚える」という態度が必要でしょう。

 

・その言語で独り言を言う

これはロンブ・カトーの「わたしの外国語学習法」(86ページ)にもあり

ましたが、著者も強く勧めています。

アウトプットの練習になると同時に、自分の弱い部分(単語・言い回し)が

明らかになりますので、それを和英(和仏、以下略)ですぐに調べて補強して

いくことが重要としています。

 

 

これらの他に、単語の覚え方として、詩やことわざを覚えることを薦めて

います。

 

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■感想

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先週から私も独り言を開始しました。

朝晩の会社との行き帰りの歩きの時間にやっています。ジョギングしながら

やることもあります。

 

独り言とくくられていますが、目についたものを訳すというトレーニングも

提示されています。(118ページ)

独り言を言おうとする場合、自分の言えることを言おうとする傾向があり

ます。結果として自分の苦手な分野を避けることとなり、弱点が見えなく

なることになります。

 

目についたものを訳すと言うことで、その逃げ道がなくなります。

 

外国語に自信がある人が通訳学校に行って出会う最初のショックがこれだと

思います。

無意識に避けていた部分があったことを突きつけられるわけです。

 

また、学校や会社で、頭の中で外国語で独り言を言ったり、考えたりする

ことも勧めています。(121ページ)

「外国語で考える」と言うことについてはまた別の機会にあらためて書いて

みたいと思います。

 

ことわざや詩を覚えるというのも良いと思います。

 

例えば英語をやる時に、シェイクスピアや、キリスト教の知識や、

ネイティブの独特の言い回しなどの重要性を説く立場があります。

これは、その人の外国語習得の目的によって異なってくるでしょう。

ビジネス英語を身に付けるのであれば、相手は英語ネイティブとは限りません

から、キリスト教シェイクスピアの知識は邪魔にはなりませんが

不要です。スラングも不要です。

他方、映画や文学作品を楽しみたいという人には、これらの知識が必要に

なってくるでしょう。

 

英語以外の言語においては、国際語としての性格が弱まり、もっと文化に

引っ張られた位置付けとなりますので、これらの要素の重要性は(英語に

比べると)高いでしょう。

 

ロンブ・カトーも「わたしの外国語学習法」の中で「あまりにもそういう

知識を獲得することの意義が強調されすぎている嫌いがあります」と書いて

います。(209ページ)

自分の目指している語学力がどのようなものかと明らかにした上で、その

ような知識をどこまで身につけていくかを決める必要があります。

 

 

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■おまけ

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先週のロンブ・カトーに続いて、同じハンガリー人のピーター・フランクル

紹介しました。

 

続けて読んだこともあり、二つの本の重なった部分が多くあったような

気がしました。

同じハンガリー出身ですから、ロンブ・カトーの本は読んでいるでしょう。

(ハンガリー語で読んだか、日本語訳で読んだかはわかりませんが)

 

だからといって著者の外国語学習に於ける成功の評価が下がるものでは

ありません。

 

「母国語、外国語と「国」の文字を使うのは日本くらいだ」という指摘は

新鮮です。(18ページ)

 

「ジュニア新書」となっていながら、大人にも十分に役に立つ本が

収録されていると知り、この後に、同じジュニア新書から数冊買うことに

なりました。

 

この本について言えば、スウェーデン語でポルノ雑誌を読んだとか、

飲みに行って会社の悪口を言うような無駄な時間を過ごしてはいけないとか、

「ジュニア」向けの内容かと一瞬ドキリとしましたが。

 

一点気になったのは、「大学で数学の講義ができる程度に習得している言葉」

と言うくだりをどのように理解するかということでした。

自分の専門分野について話すのは、往々にして専門用語が共通だったりして

割と容易で、日常会話の方が難しいということもありますから。

 

この辺りは著者に聞いてみたいところです。

 

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

英国公認会計士

 

 

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

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