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「赤毛のアン展」日本橋三越

赤毛のアン展」日本橋三越

 

日本橋三越赤毛のアン展の最終日に行ってきました。

 

興味はなかったのですが妻Rが無料招待券を入手したので雨の中を日本橋へ。

 

作品よりは、翻訳者の村岡花子に興味を持ちました。

 

戦争の中、「赤毛のアン」の翻訳を続けていたという事実もそうですが、「赤毛のアン」シリーズ以外にも「王子と乞食」「クリスマスカロル」「フランダースの犬」などの子供向けの作品を多く翻訳しているという点です。

 

最近は赤毛のアンも翻訳が何種類かありますが、我々の年代の人間は子供時代に村岡花子作品で育ったという面があるのではないでしょうか。

 

展示場に一部引用されていた赤毛のアンからの一節を読んだとき、とても懐かしい気がしました。

赤毛のアン」を読んだ記憶が定かではないのですが、村岡花子を読んだという確信を持ちました。

 

先日読んだ「思考の整理学」(外山滋比古 ちくま文庫)に、「異本」という考え方が出ていました。

ある文章の解釈の仕方が何通りもある場合に、そのどれか一つが正しいというわけではなく、それらすべてを合わせたものが、その文章の意味するところだというものです。

 

村岡花子訳の影響について考えながら、異本ということを考えていました。

 

普通に「赤毛のアン」(原書「1」とする)を読んだ場合に、読者の解釈が「1-0-0」から「1-9-9」まで分かれる可能性があるとします。

ところが、間に翻訳が入る場合、その翻訳者は「1-0」と訳して読者に渡すかも知れませんし、「1-9」とするかも知れません。

この場合「1-0」で渡された読者の解釈は(その翻訳に引っ張られて)「1-0-0」から「1-0-9」の間に収まるのが自然で、そこから突然「1-9-9」の理解には飛びにくいでしょう。

 

そうであるならば、現在存在する翻訳が名訳か迷訳かであるかを問わず、読者に与えられるべき想像の幅を取戻すためにも、複数の翻訳が出されるべきかも知れません。

 

 

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