語楽カフェ

趣味としての外国語学習

2005-09-16

語彙

 

語彙をどうやって増やすかというのは、課題です。

 

千野栄一外国語上達法」には、語彙数のターゲットを決めて積極的に覚えることを薦めている。

 

「いくら覚えてもきりがない単語の学習には、目安が必要である。使いもしない語を無理して覚えるのは、ナンセンスとしかいいようがない。」(54ページ)

「大体どの言語テキスト(書かれた資料)でも、テキストの九〇パーセントは三千の語を使用することでできている。...... 残りの一〇パーセントの語は辞書で引けばいい。」(55ページ)

 

などとあります。

 

フランス語の話しことばのように千語で九〇パーセントを超すものもあれば....」(56ページ)

ともあります。

 

英語をやった後でフランス語イタリア語をやって思ったのは、英語は文法が簡単な分、覚えなければならない単語がたくさんあり、他方、フランス語イタリア語は、文法が複雑な代わりに単語は少なくて良いような感じでした。

 

受験勉強の時に単語帳を使って一生懸命暗記した難しい英単語をすっかり忘れてしまっている状況を思うと、やはり、通常の文脈の中で読み聞きする中で覚えていくのが理想的だと思います。

 

日本語新聞の中でもすべての単語が分かるわけでもないですから、分からない単語も気にせず読み飛ばし、文脈の中から意味が形成されるのを待つのが理想です。

 

しかしながら、学習初期に於いては、一ページの中に分からない単語が30個もあってはスピードも上がりませんし、もとより意味も取れません。

言語レベルを設定した読み物を読めばよいのかも知れませんが、それだと内容的に不満があったり、マイナー言語だとテキストが入手できないということもあるでしょう。

 

やはり二千語、三千語くらいまでは、単語帳等で一気に覚える必要があるでしょう。

 

私はイタリア留学した時、最初の三週間の個人レッスンで500ページのテキストを終わらせました。(一日4時間、週5日)

このテキストには、基本語彙2000語が散りばめられており、文法が一通り終わるところで基本語も出来上がっているという、理想的なものでした。

その後は、ひたすら多読、多聴すれば良かったわけです。

 

語彙 2

 

基本語の後はやはり読み聞きで増やしていくのが理想なのですが、そうするとどうしても偏りが出てきます。

私の場合はどうしても会計・金融の単語が中心で、結果として仕事では使えるけれど、テレビドラマは分からないというようなことになります。

 

まんべんなく学習するために、千野栄一の「外国語上達法」では、使用頻度に基づいての学習を進めています。

辞書には頻度に応じてアスタリスクが付けられているケースが多いので、これを参考に語彙を増やしていくというものです。

 

英英辞典を片っ端から読むという人もいるようですが、最終の到達レベルを意識して辞書を選ばないと、10万語覚えるなどという大変な目標を掲げることになります。

 

最近私は、ラルースやさしい仏仏辞典Niveau1の通読を始めました。

見出し語2,815語。ただし関連語等を含めると7,700語くらいになります。

 

気をつけないといけないのは、辞書を読む学習法だとどうしてもインプットの語彙のみ増えていくことになってしまうということです。

認識語彙は増えるが活用語彙が増えない。読めば分かるが使えない。

 

インプットを強化しようとする方はこれでよいでしょうが、アウトプットを強化しようとする方は、何かやり方を変えないといけないでしょう。

 

ここについては、私もまだ答を持っていません。

 

和英辞典、和仏辞典等の通読というのも一つかも知れませんが、英和・英仏等とくらべて必ずしもレベルが高くない中で、間違って覚えるリスクもあります。

 

今読んでいるラルースやさしい仏仏辞典は、関連語、派生語がたくさん出てくるので(もとより仏仏辞典ですからフランス語で説明しているわけですが)、頭の中でも関連語、派生語を考えながら読んでおり、その点からはある程度アウトプットの語彙の強化に役立っているような気がしています。

 

「その他の外国語」(黒田龍之助著)現代書館

 

「その他の外国語」(黒田龍之助著)現代書館を読みました。

同じ著者の「外国語の水曜日」にも興味があったのですが、先にこちらをブックオフで見つけたので買ってしまいました。

 

結論

外国語水曜日」が言語学入門であるのに対して、こちらは純粋エッセイ集。

外国語習得についてのヒントは残念ながら見つかりませんでした。

 

即、アマゾンで売りに出しました。

 

分かったことは、筆者も「文化を知らずして外国語を学ぶことは不可能」と強く信じていると言うことで、僕の考えとは入り口で既に違っているわけですが、ちょっとだけ面白いと思ったのは

・「文字には美的機能がある」(19ページ)

確かに単なる記号でしかないのに、習字カリグラフィー技術存在する

・「発音の仕方で意味が変わる単語」(どこに書かれていたか忘れました)

当たり前の話ですが、文章であれ単語であれ、アクセント、イントネーション等でニュアンス意味が変わることはあります。

これは読み書きだけの学習ではもれてしまうおそれがあります。