生寅の会 メモ
生寅の会 メモ
はまなすさんから、先日の生寅の会のメモを送っていただきました。
一部加筆の上、こちらに載せさせていただきます。
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高校生さん発言から
語彙の増やし方として『(英語で書かれた高校の)教科書を読む』
文法的にしっかりしている文章なので論理的な思考も身につき一石二鳥である。
いつも持ち歩いていて、電車の中などでのちょっとした時間を利用する。
(寅 読書によって単語を増やそうとする場合、語彙に偏りがでる。良くできた教科書であれば重要単語をまんべんなく網羅しているので、教科書を読むというのは健全な語彙形成に役立つ)
『語源で覚える英単語』という本が良かった。Exなど語幹の意味を覚えてしまえば自然に分かる単語がいっぺんに増える。
受験英語も悪いものではない。日本人が文法をきちんと学んでいる点は他の国に比べてよいことだと思う。暗記なども他の国の学生に比べると良くやっている。
Q:アメリカの高校での「国語としての英語教育はどのようなものか」
ヒアリングとスピーキングが主だ。とにかく読ませられて、宿題に何ページ書いて来い、ということの繰り返し。聞いて話す、読んで書く。
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Q:人間の実力は遺伝が9割といいますね。
A:バイリンガルにさせるにはどうしたらいいですかという質問の答えは「親を選びなさい」ということです。家庭での語学体験の影響が大きいです。
特に、小学校6年生くらいまでは母国語の習得をしっかりやっておかないと、表現力がつかないまま外国語の世界に順応すると、どっちの言語も身につかないおそれもあるから、要注意。
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Q:言語が混じることはありませんか?たとえば、英語でリエゾンしてしまったり、フランス語で無声音を発音してしまったり。
(同じアルファベットを使っているわけですし、似た言葉ならなおさら)
A:文法がしっかりと入っているので混じりません。
フランス語のディクテーションなどで、発音しないものもきちんと書き取っていかなくてはならないが、文法的に理解していれば間違えないで書き取ることができる。
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あれは、日本語と英語を話せる、二言語のお話ですから、多言語の脳を持つ人で実験してほしいいですね。
それから、そのスイッチは、二言語以上習得した人でなければないのでしょうかね。
ということは、言語の習得と一緒に訓練でできるものなのでしょうか。
生まれつき誰でも持っているものなでしょうかね。
日本人の駐在員婦人に海外での生活について語ってもらった実験で。
日本語で語ったときよりも、英語で語ったときのほうが、肯定的な感想だった。
英語のほうがはっきりとした表現、肯定的な単語が多いということもある。
また、現地の雰囲気、国民性に引っ張られることも多い。
例として、寅彦氏もイタリアではもっと背筋が伸び、女性を口説いていた。日本ではそういう性格の人間ではないそうだ(^^)
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冠詞が格変化しないので、語順のみで理解しなければならないし、動詞の変化も不規則で、品詞を見分けにくい。
日本語のことを「あいまいな言葉」というが、英語もあいまいだから、英文和訳が幅の広いものになるような気がする。
仏語、イタリア語、英語と比べて、同じことを書こうとして表現できる正確さは、同じですか、違いますか?
寅彦氏:同じことを書こうとすると英語がいちばん多くの単語を使うだろう。
フランス語、イタリア語は基本的な語彙で多くのことが表現できる。
英語は文法が少ない分、イディオムが多く存在する。それをうまく使いこなす必要がある。
前置詞を代えるだけで意味がかわる。
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せい氏
ボクはもともとは数学の専攻で理系なのだが、よく「理系なのに語学が得意なんだね」といわる。僕にしてみたら、語学は理系の分野だ。
記号のように変換していくイメージがある。
Q:文学的理解は必要ない?
A:味わっていると時間もかかるしね。
スペイン語を始めたきっかけは南米旅行を通訳なしで、したかったから。
英語は仕事で普通に必要で、インド人、米国人などとコミュニケーションしている。
特にこまったことはない。
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Q:フランス語の単語の性はどうやって覚えるか。
A:迷ったらイタリア語で考えてみる。
イタリア語は語尾により決まることが多いので、わりと簡単に察しがつく。
☆寅彦氏にQ
A:英語だけです。
A:大学で一年とっていたが、全く分からない状態でした。3カ月、分からないけれどもイタリア語のシャワーを浴びて、ひたすらイタリア語を読んでいたらわかるようになりました。その頃は200%イタリア語漬け状態でした。イタリア語を勉強しなくて良い公園の鳩がうらやましかった。
膨大な量を読んだことで、分かるようになった。
Q:ではレストランに行っておいしいワインや料理の注文など、らくらくでしたか?
A:それは妻に任せていました。ひたすら仕事の関係のイタリア語です。
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スイス人の話すドイツ語はちょっと違って聞こえるのでスイスドイツ語かと思われるかもしれませんが、彼らが話しているのはハイジャーマン(共通ドイツ語)です。
発音はちょっとなまっているかも知れませんが、書いてみれば同じだということがわかります。
スイスドイツ語は、ドイツ語のことを「馬の言葉」(馬の鳴き声ノイメージ)と言ったフランス人が、「喉の病気だ」といったほどのものです。ウムラウトが強く、子音が強調される単語が多いです。文法も他の言語のものが混じっていたりして、若干ちがいます。スイス国籍をとるにはスイスドイツ語の試験にパスしなければならないそうです。