語楽カフェ

趣味としての外国語学習

2007-08-21

[]おまけ号 人間はみな語学の天才である 18:40 おまけ号 人間はみな語学の天才である - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - おまけ号 人間はみな語学の天才である - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 おまけ号 人間はみな語学の天才である - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - おまけ号 -

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■はじめに

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みなさん、こんにちは。寅彦です。

今週はいつものメルマガはお休みです。

 

先週の7号の「人間はみな語学の天才である」に関して、トマティス

ジャパンに質問のメールを送っていたのですが、このたびお返事を

いただきました。

興味深い内容ですので、おまけ号としてお届けしたいと思います。

 

 

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■疑問 

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以下の質問をメールで送りました。

(引用開始)

こんにちは。

2005年2月にお試しレッスンと聴覚テストを受けました、澁澤寅彦と

言います。

ブログ、メルマガを出していますが、メルマガの最新号で「人間はみな語学の

天才である」を紹介しました。

これを書いていて不思議に思ったことがありました。

去年から今年にかけて、「若者には聞こえるが中高年の人には聞こえない

高周波の『モスキート音』」が話題になりました。

これを考えると、日本人であっても聞き取れる周波数の幅は高いところまで

拡がっていることになります。

これと、トマティスメソッドで言うところの、「日本人のパスバンドは上が

1500です」ということとは、どのように考え合わせたら良いのでしょうか。

両方とも周波数と呼んでいて実は違うものを扱っているのでしょうか。

それとも、耳に入る周波数と、言語として積極的に取り込んでいこうとする

周波数との違いでしょうか。

(引用ここまで)

 

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■トマティスジャパンからの回答

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(引用開始)

澁澤寅彦様

メールを頂戴しありがとうございました。

また澁澤様のメールマガジンに私供の本や理論もご紹介いただきありがとう

ございます。重ねて御礼申し上げます。

さて、ご質問の件にお答え致します。

『パスバンド』というのは、各言語に「優先的」に使用されている周波数帯の

ことです。日本語においても1500Hz以上の音が全くないわけではなく、また

日本人が1500Hz以上の高周波の聴き取りで他民族より著しく劣っている

ということでもありません。ただ母国語に含まれていない音は、聞こえて(hear)

いても“言語として”認知(listen to)しにくくなっているということです。

すなわち、『パスバンド』とは、澁澤様のメールにもありましたように、“言語と

して”積極的に取り込んでいる(取り込むようになった)周波数帯”といえます。

(「モスキート音」はご存知の通り、若者に比べて中高年になるにつれて、耳が

だんだん高周波域 の音を捉えにくくなってゆくこと、つまり、年齢差による

“聞こえ”の違いを言っています。たとえて言えば、目が老眼になって近くの

ものが見えにくくなるのと同様に、耳も“老化”が進むと少しずつ高周波が

聞き取りにくくなる、ということです。)

ご質問のお答えになりましたでしょうか。

また何かご不明な点等ございましたら、ご遠慮なくご連絡下さいませ。

(引用ここまで)

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■解説

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ブログの中でこれまでも何度か周波数の話をしてきました。

若者には聞こえるが、歳を重ねるに連れて聞こえなくなる高周波。

そうであるならば、同じクラッシックの演奏でも、若者と老人とでは聞こえて

いる音が違うのではないか。

同じ曲でも若い時に聞いた時と、歳を取ってから聞くのとでは聞こえている

音が違うのではないか。

作曲家自身についても同じことが言えて、若い時と歳を取ってからでは音の

聞こえ方が違うので曲の作り方も違うのではないか。

などと書いてきました。

そうした中でトマティスの周波数の話を再度読んで、はてさて、この周波数と

あの周波数とはどういう関係にあるのだろうと悩んだわけです。

マティスからの答にあるように、耳に入ってくる周波数と、それを言葉として

積極的に解読しようとする周波数との違いだと言うことなのでしょう。

そうであれば、同じクラッシックの曲を聞いても、ドイツ人と日本人とでは

聞こえ方が違うかも知れないということになります。

「人間はみな語学の天才だ」の69ページに、「有名な老ピアニスト」の話が

出てきます。

「ピアノで演奏される曲はすべて徹底的に理解しているが、ショパンだけは

謎だ。

ショパンの『風に乗って弾かなければならない』という言葉が分からない」と

いうこのピアニストに対し、トマティスは「風とはおそらく『精神』、すなわち

ショパンが自分自身の聴力曲線によって関知できる精神のことではないだろうか」

と答えました。

このピアニストはトマティスメソッドのフィルター通過音でモーツァルト

曲を何時間も聞くという学習を開始し、ついにはショパンの例の不思議な

ことばの意味を理解したと告げるのでした。

(注 トマティスメソッドでは治療にモーツァルトのバイオリン曲から合成した

フィルター通過音を使う)

作曲家に聞こえていたようにその曲を聞くためには、演奏家は自分のパスバンドを

作曲家のそれに合わせる必要があるのかも知れません。

 

(耳が聞こえなかったベートーベンなどの曲はどのように理解すれば

良いのでしょう?)

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■おまけ

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「人間はみな語学の天才だ」の72ページに、「子供には親は母語で話しかける

べき」という話が書かれています。

そうしないと、「子供の聴覚通信路やパスバンドに混乱をまねくおそれがある」

としています。

最近の早期英語教育の中で、母親が子供に英語で話しかけるということが

説かれることがあるようですが、大丈夫でしょうか。

それではまた来週。

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

フルマラソン ベスト 4時間35分 ワースト6時間24分

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

─著者ブログ 他─────────────────────────

『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

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