2007-11-13
■ [メルマガ]018号 「国内でTOEICテスト990点」
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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による
語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法 - 018号 -
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■今週の本 「国内でTOEICテスト990点」
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買う??: ★★★☆☆
内容もさることながら、最近の各種ベストセラー書のエッセンスをうまく
取り込んで英語学習へのアプローチを再構築したところに感動しました。
お薦めの書籍、サイトなども多数紹介されています。
実行可能度: ★★★☆☆
即効薬ではありません。
「楽して」ではなく「楽しく」を目指すものです(27ページ)
読んで頂きたい方:
TOEICを受ける人も受けない人も。
「国内でTOEICテスト990点」 金井さやか
中経出版 2007.10
アマゾンはこちらから
http://www.amazon.co.jp/dp/4806128511/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22
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■エッセンス
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どんな立派な外国語学習法でも実行/継続できなければ意味がありません。
本書は前半で学習を「始める」「続ける」ための方策を提示し、後半ではTOEICを
意識しつつもTOEICに留まらないオールラウンドの英語力を付けるための
アプローチを紹介します。
キーワードは「ハイスコア」(259ページ)
「は」離れないで - 英語が自然に日常生活に入っている
「い」一歩ずつ - 少しずつ、基礎固めと弱点補強をする
「す」好きなことから - 好きなテーマ・切り口から英語に触れる
「こ」細切れ時間も利用して - 時間を上手に使って積み重ねていく
「あ」あきめないで続ける - 工夫してモチベーション維持をする
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■内容
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「楽して」ではなく「楽しく」
一文字違いですが、大きな違いです。
270ページというやや厚めの本の中に、バランス良くアドバイスがみっちりと
書かれていますので、その内容をここに逐一記載することはしません。
私自身、付箋を31枚も付けてしまいました。
洋書を選ぶ際に自分に合ったものかどうかを「興味・関心」「英語のレベル」
「予備知識」の三点から採点して行うというアプローチとその採点法が興味
深かったということだけ、ここに書かせていただきます。
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■感想/妄想
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「良い本でした」というのが最初の感想でした。
1.外国語学習を始める前に読むべき素晴らしい本は世の中にたくさん
あるのですが、多くの人はいきなり「三週間で~」とかTOEIC対策本
とかに向かってしまいます。
であれば、それらの人がまず向かうTOEIC対策本の中で、外国語学習への
”正しい”アプローチを展開すれば、より多くの人の目に触れることになり、
結果的に英語習得に悩む人が減るということになります。
どんなに素晴らしい内容の本でも、ターゲットとする読者に到達しなければ
価値はありません。
タイトルに「TOEIC990点」と入ってしまったために、本当に読んで欲しい
外国語初中級者が本書を手に取らないかもしれないと言うのが気になりました。
非常に残念なことです。
2.最近、学習法や目標達成法の本が出ていて、その中には、外国語学習法に
ついて触れられた本もあります。
例えば
「無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法」勝間和代
http://www.amazon.co.jp/dp/4887595441/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22
「『1日30分』を続けなさい」古市幸雄
http://www.amazon.co.jp/dp/4838717776/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22
などに外国語学習法についての章があります。
外国語学習法のカテゴリーと、勉強法/目標達成法のカテゴリーと、
両方を読んでいる私は気づかなかったのですが、必ずしも二つのカテゴリーの
読者は重なっておらず、本書により「語学学習書」のカテゴリーに、最近の
「勉強法/目標達成法」のエッセンスを取り込んでいるように見えたのが
新しいと感じました。
3.妄想(MOSO)させてくれる
良い本は、そこに書かれている内容が読者の想像/創造力を刺激し、考えを
拡げてくれます。
読みながら電球マーク(ひらめいた!!マーク)がたくさん点きました。
MOSOの1 ブログの効用
私自身がウケ狙いのブログを書いているので、どうしてもアクセス数とか
気になってしまい、いかに読者数を増やすかを考えてしまうのですが、
本書では学習記録として、ペースメーカーとしてのブログの活用法について
書いています。
自分のためのブログというアプローチは、「『手帳式ブログ』のススメ」
(大橋悦夫)で読んで、私も心を改めたと思っていたのですが、いつの間にか
忘れていたようです。
MOSOの2 書き写すことの効用
インプットからアウトプットにつながる形は人によってそれぞれで、読み
聞きした内容が一言一句そのまま頭に残り、そのままアウトプットに使える
人から、読み聞きが終わると意味しか残らない人まで幅があります。
これは母語(我々にとっての日本語)においてもそうです。
残らないタイプの人は(私もそうですが)、大量に読み聞きし、身体にたたき
込むか、少量の例文を音読・暗唱する必要があると私は考えています。
本書ではメールやエッセイ等を書き写すことの効果について書いています。
「話せるなら書ける」というのは一面の真実ですが、それでは話すように
しか書けません。
書き言葉を学ぶには書き写すというアプローチには可能性があるような気が
しました。
小説家が参考にする優れた作品を書き写すというのはこういう事かも知れ
ません。
或いは書くという行為の中に(機械的に書き写す(移す)以外に)考えるという
営みがあり、偉大な作家の思考プロセス/文体/構成などが身につくのかも
知れません。
そうでなければ単なるペン習字に終わってしまいますから。
MOSOの3 精聴と多聴
「精読と多読」というアプローチはこれまでも意識していたのですが、「精聴と
多聴」(140ページ)というアプローチは新鮮でした。
アルクのヒアリングマラソンでは、「聞き流しと精聴」だったと思いますが、
そうではなく、「精聴と多聴」という組み合わせは面白いと思いました。
MOSOの4 アウトプットを意識したインプット
思わず「レバレッジ・リーディング」(本田直之)を思い浮かべてしまい
ました。
結局のところ、どのように使用するかを明確にした上でインプットをすべき
ということで、私も自分の外国語学習について考えさせられました。
他方、純粋に趣味で外国語を学ぶ人、洋書を読む人もいらっしゃいますので、
(狭い意味での)アウトプットを意識しないやり方も有り得ると私は思います。
もちろん、「洋書を読んで気分転換をする」というのも広い意味ではアウト
プットでしょうが。
http://www.amazon.co.jp/dp/4492042695/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22
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■おまけ
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先日都内のパーティーの席で、著者とお話する機会がありました。
タイトルに「TOEIC990点」と入っている点については、「出版社の意向もあって
そうなっていますが、先入観無く、より多くの人に手に取っていただきたい」
というコメントをいただきました。
また、最近の自己啓発書については、読んでいないと言うことでしたが、
同種の洋書をAudio bookで多聴されているので、そちらからのノウハウが
反映されたものだと思います。
著者のサイト
English-Box
ブログ
http://plaza.rakuten.co.jp/englishbox/
著者が参加されている「100冊倶楽部」では、MOSO(妄想)をキーワードに
いろいろなアイディアを膨らませているようです。
それもあって、今回はMOSOという用語を使わせていただきました。
100冊倶楽部の公式ブログはこちらです
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発行者略歴
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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)
2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠
(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。
新しいパソコンが欲しいのですが、妻からは部屋の掃除をしてからねと
言われています。
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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法
発行者 : 澁澤寅彦 ( [send email to shibu.tora@gmail.com via gmail] shibu.tora@gmail.com)
発 行 : まぐまぐID= 0000238273
配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/
─著者ブログ 他─────────────────────────
『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)
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