Explicitation (続き)
Explicitation (続き)
先日の日本通訳学会の翻訳研究分科会では、訳文が元の文より概して長くなるということの他に、日->英の翻訳においては、主語を足したり、冠詞を足したりすることで長くなるという話がありました。
http://blog.goo.ne.jp/teki-mizuno/e/8b56bfdf9a4e261dd34913a5b75e62f3
先日メルマガで紹介した、荒木博之「日本語が見えると英語も見える」(中公新書)に従えば、日本語は多義的なファジィな言語なので、英語に訳す際には、日本語一語に対し、英語が二語以上となるということであり、言語がファジィか論理的かという要素も入ってくるのでしょう。
これに関して、今週のメルマガで紹介した齋藤兆史「英語達人塾」(中公新書)に興味深い記述がありました。
翻訳の技術を説明する中で、「語彙単位ではなく意味素や意味成文単位で訳す」(162ページ)というもので、その中で、He was a shy thoughtful boy, (以下略)というところの、shy thoughtful boy を、「引っ込み思案な少年」と訳した上で、「日本語の『引っ込み思案』という一つの語彙項目には、shyとthoughtfulがそれぞれ持っている主要な意味成文が含まれていると判断したからである」(163ページ)としています。
これはなかなか高度な技ですね。
荒木氏、齋藤氏で、逆方向でペアになっています。
美しい。
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