エレベーターで前に立った女性の首に息を吹きかけるのは反則です。
エレベーターで前に立った女性の首に息を吹きかけるのは反則です。
エレベーターに乗ってやや混んでいて、自分の前に素敵なおねえさんが立った場合、その首筋に息を吹きかけるのは×です。
他方、息を吸うときに、素敵なおねえさんのシャンプーの匂いが入って気持ちよくなるのは○でしょう。
ここで注目すべきは、吐くのはダメで吸うのは良いということではありません。
「吸う/吐く」という対応関係に加えて、「口/鼻」という軸が存在していると言うことです。
素敵なおねえさんが前に立ったら息を吐けないというのでは死んでしまいますので、×にならないようにと慎重に鼻で息を吐くわけです。
鼻づまりの人は困ります。
(鼻呼吸でも息が強く出たり、音がしたりするとまずいです)
これをマトリックスで表すと、以下のようになると思います。
\ | 吸う(in) | 吐く(out) |
口 | ○ | × |
鼻 | ◎ | ○ |
すなわち、おねえさんの首筋に口で息を吹きかけるのは×。
それ以外は○ですが、鼻で息を吸ってシャンプーの匂いで気持ちが良くなるのであればさらに◎。
ということです。
他方、さらに注目すべきは、「息を吸う」「息を吹く/吐く」という言葉の指し示すものです。
「息を吸う」と言ったときには、口呼吸も鼻呼吸も含まれると感じられる一方で、「息を吹く/吐く」と言うときには、口呼吸のみのような感じがします。
「吸う」「吹く/吐く」となると、いずれも鼻ではなく口で行う動作のような気がしますが、「息を」と付けることで範囲が変わる感じがします。
例えばジョギングするときの呼吸はどうされていますか。
私は鼻で吸って口で吐いているような気がしています。
このような普段の行為から、意味づけが変わっていくのかも(であれば個人のレベルで意味がずれているかも知れません)
別におねえさんの首筋に熱い息を吹きかけたいということでこの記事を書いているわけでもなく、シャンプーの匂いを鼻をふくらませて吸い込みたいと言うわけでもありません。
書きたかったのは、in と out。あるいは in と ex の話です。
渡部昇一さんの本に、インスピレーションについての話がありました。
日本人はインスピレーションは自分の内側から湧き上がってくるものだと考えるが、欧米人はinspiration は、in- なので、外から吹き込まれるものだと考えているということです。
「神が降りてきた」というところでしょうか。
この話を読んで、expire だと、外に出て行ってしまうので、終了する、期限切れとなるという意味になるのだと納得しました。
フランス語だと、inspirer / expirer
英語だと inhale / exhale
あるいは breathe in / breathe out
前に立ったのがおねえさんではなくておじさんだったら、首筋に熱い息を吹きかけても良いと言うことではありませんし、鼻でいっぱいに吸い込むとオヤジ臭で目まいがするかもしれませんのでご注意ください。
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