「通訳ガイド」国家資格不要に
「通訳ガイド」国家資格不要に
英仏伊三カ国語で通訳案内士登録している私には、月曜の日経新聞の記事はショッキングなものでしたが、予測されていた方向でもありました。
「昨年4月時点で約1万3千人が登録されているが、資格の更新制度はない。2008年のアンケートでは4分の3が通訳として活動しておらず、制度の形骸化が指摘されてきた」
自分の語学力の測定のために試験を目指す人が一定の数はいると思いますが、それにも増して、「外国人観光客に有料で通訳ガイドをできるのは、語学や観光知識に関する国家試験に合格した通訳案内士だけ」としておきながら、国側が制度の周知や違法ガイドの取り締まりを行ってこなかったことから、通訳案内士で生計を立てていくことが出来なかったということが大きな要因ではないでしょうか。
「アジアからの観光客急増に対応できていない」としながらも、アジアからのツアーに同行してくる添乗員のガイド行為はおとがめ無しでした。
数年前からは通訳案内士試験を海外でも受験可能としました(受験資格に国籍/居住地条項無し)。
今回の制度見直し検討会の資料(原案)はJTBGMT(株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベル)が作成しているということで、海外からのツアーに料金で対抗するために国内のツアー会社も通訳ガイド料金を下げようとしているわけです。
JTBは違法ガイドの取り締まりが弱いのを良いことに、九州で中国人留学生をガイドとして募集したことから、九州運輸局から厳重注意を受けました。(今年3/25日)
(引用開始)
(株)JTB九州は、平成21年、中国人留学生を対象に「クルーズ船用ガイド募集」として、クルーズ客として訪れる中国人観光客に対する添乗員を募集しました
が、その業務内容に観光バスのガイディングが含まれていたこと、本年も宮崎市において同様の募集を行ったことが明らかになりました。
このため、九州運輸局では、本日3月25日(木)、福本啓二九州運輸局長から、JTB九州 宮原敬介代表取締役社長に対し、「このような募集を行うことは、通訳案内士法違反の行為につながる恐れがあることから、厳に慎まれたい。また、このようなことが、二度と起こらないよう、再発防止を徹底されたい。」旨、口頭で厳重注意を行いましたので、ご報告いたします。
(ここまで)
旅行業界が通訳案内士を育てようという気が無いのは残念です。
イタリアのように無償のボランティア通訳でも国家資格を必要とするというのも一つのあり方だと思います。
自分の英語の上達のためにボランティア通訳をしようとする人も日本にはかなりいらっしゃるようです。
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