ドッグランと外国語学習
ドッグランと外国語学習
外国語学習において、例えば日本語と英語とで単語レベルでの意味領域の1対1対応があると考えてしまう危険性について良く語られます。
比喩的な用法は別として、犬とdogの守備範囲は同じでしょうかなどと言われても調べるのは大変そうだし、ありとあらゆる単語でその作業をやるかと言うと絶対やらないわけですから、あまり神経質にならずに試行錯誤でズレを認識していくしかないのでしょうね。
もとより日本語に於いても「犬」の範囲がどこまでかなどとは、「犬」という言葉を習った瞬間には分からないわけです。
最初は近所にいた柴犬がすなわち犬だったのが、アルプスの少女ハイジを見てセントバーナードも犬らしいと知り、近所の金持ちがコリーを飼い始めて、コリーも犬らしいと分かり、チワワやダックスフンドやサルーキーやラブラドールなどが入ってくると、「犬」の範囲はどこまで拡がるか分からなくなります。
チワワを入れるくらいならオオカミやハイエナを入れた方がしっくり来るでしょう。
それは蛾と蝶を区別するかしないかとか、毛ガニはカニかザリガニかというような話でもあります。
ということで我が家の犬Tは、チャイニーズクレステッドドッグのパウダーパフなのですが、近所で同じ種類の犬に会うことは全くありませんし、彼女を見て「チャイニーズクレステッドドッグ」と見破る人もほとんどいません。(たいがいはプードルの混ざった雑種と思われます)
彼女が私になつかないのはさておき、昨年彼女は芦花公園のドッグランにデビューしました。
大型犬も小型犬も来るのですが、どうも似たような犬種で集まるような感じがありました。
イタリアングレーハウンドが数匹固まっていたのは同じ犬種なので分かり易いですが、パグとフレンチブルなどのチンクシャ系が集まるとか。
もちろん犬種問わずに遊びに誘う犬もいるわけですが。
彼らの中では違う犬種というのはどのくらい近い、或いは遠いものに思われているのでしょうか。
日本人にとってのアジア人? 黒人? 白人? 或いは、チンパンジー、ゴリラくらいの距離なのでしょうか。
我が家の犬Tはぽつねんとしていたのですが、ひょっとしたら犬と思われていないのかも知れません。
遺伝子についての研究が進む前の我々の犬の定義、研究が進んだ後の犬の定義。犬にとっての犬の定義。 時代により、話す主体により定義は揺れるものなのでしょう。であれば尚のこと、日本語と外国語の単語の意味範囲のズレなど気にせずに外国語を楽しみましょう。
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