グロービッシュは流行らない 相変わらず週刊東洋経済の英語特集はどうしようもない(2)
グロービッシュは流行らない 相変わらず週刊東洋経済の英語特集はどうしようもない(2)
グロービッシュに恨みがあるわけではないのですが、日本でグロービッシュは流行らないでしょう。(流行るとしたら変な語学学校が変な広告をするということでそれはそれで問題でしょう)
東洋経済に、グロービッシュの提唱者、ジャンポール・ネリエール(Jean-Paul Nerrier)さんの書いた記事がありますがその中での重要なポイントが2つ。
1. グロービッシュは言語ではない
2. 相手にもグロービッシュを話してもらわないといけない
そもそも非ネイティブの英語が拡大しているという話は、World Englishes などと呼ばれていて目新しい話ではありません。
また、1500語を使って会話をするという発想も、VOA Special English が何年も前からやっている話で、グロービッシュの単語もVOA Special English をベースにしています。
結局のところグロービッシュというのは、現在の状態を描写しているものであって、実際にグロービッシュを使っている人は存在しません。
インド人やフィリピン人やエジプト人の英語が非ネイティブの英語であってもそれは彼らの英語であってグロービッシュではありません。
ネリエールさんがWorld Englishes を観察し、基本1500語を定めたとしても、誰もそれを学ぼうとする人はいないでしょう。
グロービッシュの価値というのは、1500語をまず覚えて、かつそのレベルでも(文法や発音が完璧でないにしても)すぐに会話ができるようになるのだよという風にハードルを下げることで学習者の抵抗感を減らし意欲を増そうというものでしょう。
1500語で話せるようになるというのは大げさではないでしょう。我々も会話の中ではそんな難しい単語や言い回しは使っていませんし。
問題は1500語で聞き取れるようになったり読めるようになったりはしないということです。
ネリエールさんが言うように相手に歩み寄って貰わないと行けないのです。相手にもグロービッシュで話して貰い、グロービッシュで書いてもらわないと行けないのです。(世の中そんなに甘くない)
またビジネスに於いては書き言葉はやはりお約束事が多いので話すように書いているのでは困ります。
ということで、あくまでもスタートのハードルを下げるということで、その後も精進が必要になるわけです。
(続く)
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