語楽カフェ

趣味としての外国語学習

2005-09-01

語学の方程式 ? 私の趣味は英会話です 3

他方、

「アルバート・メラビアンという学者論文によれば、人間うしの日常的なコミュニケーションの際に、純粋言葉のみによって伝達される部分はわずか七パーセントで、残りの九三パーセントは声の調子や顔の表情、身振りなどによって伝達されているのだという」


白水Uブックス「屋根の上のバイリンガル」(沼野充義著)150ページに書いてありました。

すなわち、

英語コミュニケーション能力 = 英語能力 (7%) + 非言語能力 (93%)

ということです。

日英仏伊のマルチリンガルを気取る私は、海外旅行が苦手です。言葉には自信がありますがコミュニケーションには自信がありません。

私の妻は外国語は駄目なのですが、コミュニケーション能力は私の数倍もあります。




語学の方程式 私の趣味は語学です

「私の趣味語学です」

このようにおっしゃる方もいます。私もその一人です。

多くの方は、実際は語学学習の先に、旅行が好きだとか、海外の文学作品映画が好きだとか、(イタリア)サッカーが好きだとか、目的が隠れています。

「文化を学ぶには語学学習が必須である」 これは真。

語学を学ぶには、文化を学ばなければならない」 これは必ずしも真と言えないと思います。

語学を学ぶには文化を学ばなければならない」と考えていらっしゃる人はたくさんいて、その考え方では、バイリンガリズムは、バイカルチュラリズムにつながります。

この文化の要素は、例えば、「「外国語上達法」(千野栄一著 岩波新書)では、「レアリア」として紹介されています。

もちろん、学習の一定の期間、ある種のテキストなりを使うことで、間接的にその国の文化が入ってくるのも事実です。

また、文化的背景を知ることで、慣用的表現の意味が取れたり、聞き取りにおいて話の内容を予測できる部分もあるでしょう。

しかし、一旦出来上がってしまえば、文化に引っ張られる必要はないと私は考えています。

「屋根の上のバイリンガル」 白水Uブックス 沼野 充義 著では、「機能的バイリンガリズム(functional bilingualism)」と呼ばれる、文化に興味を持たないバイリンガルを紹介していますが、これは十分可能だと考えます。

国際公用語としての英語の地位が強まっていくと、いろんな文化的背景の人が英語を使うようになり、例えば国際会議アメリカ人アメリカの文化的背景に根ざした発言をしても他の人は分かりません。

結果として、抽象的な、みんなに共通な英語が語られるようになるのです。

同様に、アフリカに関する情報フランス語で多く入手可能ですが、この場合フランス文化についての知識はほぼ不要と言えるのではないでしょうか。

私自身、その国の文化に興味を持たず、大学時代の恩師からは「君のやっている外国語言葉ではない。記号だよ」と言われております。