語楽カフェ

趣味としての外国語学習

赤の女王仮説

赤の女王仮説

赤の女王仮説 Red Queen hypothesis というのがあります。

鏡の国のアリス」の中で、「赤の女王がアリスに『同じ所にとどまろうと思うなら、全速力で走りつづけなさい』と言った」という一節からの命名です。

周囲が動いているために、その場にとどまるために全速力で走り続ける鏡の中の世界では、進化を継続していかなければなりません。

単語の勉強もこれに似ていると思います。

単語・言葉にたくさん触れること以外に、単語の習得・定着の道はないと思っていて、その一定のエクスポージャーが維持できなくなると、川を流されていくことになります。

ただでさえ触れる機会が少ないイタリア語で、川を上流に向かって泳いで、かつ、同じ場所に留まるだけでも、ものすごい体力が必要だと思います。

だから、語学学校がたくさんあるのだと思いますけどね。

一日4時間、週5日の一年コースとかで、一定のレベルまで上がってしまえば、そこから落ちるスピードは緩やかなものだと思います。(私のフランス語の忘れ方と、ドイツ語の忘れ方を比べての経験値。

講談社現代新書「バイリンガリズム」の中で著者は「比較的高いレベルの能力を身に付けていると、言語を簡単に忘れなくなる」ことを限界閾仮説(critical threshold hypothesis)として紹介しています)

それをせずに、週1回、2時間コースでは、何年やっても上達せず、語学学校を儲けさせるだけではないでしょうか。

覚えておくべきことは、単語を忘れるスピードに比べて、文法を忘れるスピードは遅いと言うことです。

まずは短期間に文法事項を一通り終えて、後はひたすら多読多聴と、アウトプットの練習と言うのがお薦めです。

学校カリキュラムに合わせて3年かけて文法を終わらせるなんて言うのは時間がもったいないです。