2006-01-03
音読のすすめ
外国語学習における音読の効果を説く方はたくさんいらっしゃって、私もその通りだと思います。(と言いつつさぼっているのですけれど)
1.文章レベルでの発音の向上
「なんで英語やるの?(中津燎子著)」文春文庫の中で、著者は発音の指導について、原音レベル、単語レベル、文章レベルの三つを考えていて、それぞれ移行するポイントが英語教育に限らず言語教育のヤマ場であると述べています。(261ページ)
文章レベルの発音指導が学校でほとんど為されないことを考えると、個人が意識して練習しなければならないでしょう。
日本人には日本人の発音の仕方があり、ネイティブのような発音を目指す必要はないと考えておりますが、単語レベルで発音のきれいな人が、文章レベルではそうでもないのは残念です。
2.記憶のための音読
古代への情熱―シュリーマン自伝岩波書店にありますが、シュリーマンは音読/暗唱で多くの外国語を身につけていきました。
これまでは、上の二つが主な効用かなぁと思っていましたが、最近三つ目の効用に気づきました。
これは、上記1の音のリズムというものではありません。
文法的には正しい表現であっても、「そのような言い方はしない」とネイティブに言われることがあります。それは、言い習わしとしての部分もあるのですが、「語呂が良くない」からということがあります。
これは多くの文章を聞いて、かつ自分で発音して自分のものにしておかないとできないことです。
TOEIC の試験で、文法的にはどれも正しいと思われるものの中から、正解を一つ選べと言うような設問があります。そう言えば私はTOEIC の試験の最中、小声でそれぞれの選択肢を発音していたことを思い出しました。