聞く = 読む + 音 + スピード
聞く = 読む + 音 + スピード
2005/8/27の記事を引用します。
(引用開始)
音だけで外国語を習得したというような特殊な例を除けば、
「読んで分からないものは、聞いても分からない」
ということになります。
「聞き取れない」と言う時に、ではそのテキストを読んでみて分かるかどうか見てみましょう。
読むと分かるというのであれば、次は問題は音とスピードということになります。
ゆっくり話してもらって理解できるのであれば、それはスピードだけの問題ですから、早いスピードに慣れる練習をすればよいことになります。
(実際には早く話されると、音がつながったり消えたりするので、音の問題にも絡んできます)
(ここまで)
私たちが見聞きする題材は、文字/テキストとなることを念頭に置いているものと、音声メッセージとして届けられることを念頭に置いているものと、二種類に分けられます。
前者は文字となって読まれることを予定しているわけですから、読者の行動を念頭に置いて書かれています。
すなわち、分かりにくいところは一旦止まって考え、場合によっては後に戻ったりしながら読むでしょう。
場合によっては飛ばし読みをするでしょうから、パラグラフの最初の部分の要点をつないでいけば意味が通るような形に書くかも知れません。
他方、聞き取りの場合は一回勝負です。
パラグラフ・リスニングなどということはできません。一旦止まって考えることもできません。
よって
「聞く = 読む + 音 + スピード」
と言う場合に、
「読んで分からないものは聞いても分からない」
というのは、引き続き正しいのですが、
「読んで分かるからと言って聞いて分かるとは限らない」
ということも同時に正しいことになります。
演劇などのように、会話が中心のものであれば、話は別ですが。
そうであるならば、聞き取り素材として使用する物が、例えば小説や論説の朗読であると、素材としては良くないことになります。
やはり、ラジオ放送のスクリプトなど、聞くことを想定したテキストを聞き取り素材とすべきだと言うことになります。