インプットアウトプットと卵焼き
インプットアウトプットと卵焼き
読めるけど書けない漢字があるように、読んで分かるけど使いこなせない外国語の単語/言い回しがあります。
アウトプットの能力を上げようとするならば、インプットの能力を上げなければなりません。
使える単語を100個にしようとするならば、読んで/聞いて分かる単語を100個以上にしないといけません。
ここまではこれまでも書いてきました。
それでは一体どこまでインプットを大きくすればよいのでしょうか。
闇雲に大きくしていけば良いのでしょうか。
ターゲットのアウトプットが100で、現在のインプットレベルが50であるならば、インプットを100以上にしなければならないということは分かりますが、どこまで拡げればよいのでしょうか。
アウトプットを意識しなければ、インプットを100万に拡げても、アウトプットは100に満たないかも知れません。
逆に効率的にやれば、インプットを100にすると同時にアウトプットも100になるかもしれません。
(ここまでの効率性は非現実的ですが)
ここでアウトプットを意識すると言うことは、闇雲に認識語彙を増やすのではなく、使いこなせる語彙を、範囲を限定して増やすと言うことでしょう。
広い範囲にペンキを塗っていくのではなく、重要な場所を中心に何度も重ね塗りするということです。
同じ一つの玉子でも、厚焼き玉子も薄焼き玉子も作れます。
薄焼き玉子では、読んで分かる単語は増えます。
いろんなペーパーバックを楽しみたいというのが目的であれば、(アウトプットを意識しなくて良いので)薄焼き玉子戦略でよいでしょう。
アウトプットが重要だというのであれば、厚焼き玉子戦略となるでしょう。
もちろん理想的には、薄焼き玉子と厚焼き玉子の間のバランスを、学習者のニーズに合わせて微調整するのですが。
多読や多聴で語彙を増やそうとする場合に、ジャンルを絞らない場合は基本語彙は身につくかも知れないですが、特殊な語彙は増えないでしょう。
学習者のニーズに合わせて、多読・多聴の材料も分野を考えないといけないでしょう。
大学時代にロマン主義の演劇をフランス語でたくさん読んだ私は、古めかしい口説き文句ばかり覚えました。(使う機会は全くありませんでした)