語楽カフェ

趣味としての外国語学習

2007-12-23

ピュアな多読 (その2)

 

SSS英語研究会のサイトに、「多読3原則」として次のように記載されています。

 

SSSでは、次の3つの原則を 多読3原則といっています。

 

1. 辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)

2. 分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)

3. つまらなくなったら止める (1 2 の原則で楽しく読めない本は読まない) 

 

とても良いと思います。

 

上記三原則に従うと、絵本のような字数の少ないものから始めることになります。

 

学校英語の呪縛から逃れるための unlearn のプロセスとして効果があると思っています。

 

簡単な読み物から始めることで、返り読み、訳読のクセから逃れる

 

分からないところは飛ばすことで、100%理解しなければならないという思いこみから逃れる。(母語の日本語に於いて、我々が分からないところは無意識に飛ばしていることを英語でも行う)

 

つまらない本は読まないことで、学習の継続に必要な「楽しさ」を提供する。モチベーションが重要である。

 

気をつけなければいけないと思っているのは、『こどもが言葉を習得していったように』という魔法のフレーズが時々出てくることです。

 

赤ちゃんの母語習得のプロセスと、その後の外国語習得のプロセスが異なることは言語学の中心の考えのようで、私の経験からもそうだと思っているのですが、単に『こどもが習得したように』というだけでは、駅前の語学学校の呼び込み文句と変わるところがありません。

 

こどもが習得したやり方をテクニックとして採用することで、学校英語の(悪い)クセから逃れることを目指しているだけであって、それ以外は大人向けのアプローチが必要だと考えています。

 

仮に『こどもが習得したように』と本気で主張するのであれば、一日中英語のシャワーを浴び続ける必要があり、その為には、かつて小林秀雄が講演で言ったという「外国語の本を読むのにも、1日1冊をつづけられる程度の速さがなければ、そもそも外国語の知識というものは使い物にならない」(引用は松本道弘「速読の英語」より)というくらいに多読する必要があるでしょう。

 

今読んでいる「速読の英語」は、多読の為に速読をやるべしという点で、多読をやっていらっしゃる方にはお薦めです。

多読と言いつつ、多読三原則は守っているものの、絶対量として多読になっていないケースは、(私も含めて)あるのでは無いでしょうか。

 

「速読の英語」 アマゾンはこちら

速読の英語

 

(つづく)

 

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ピュアな多読 (その1)

 

12月1日の記事で、iKnow! というサイトについてご紹介しました。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/20071201/1196464666

 

このサイトについて、SSS英語研究会の掲示板が今週かなり盛り上がって(紛糾して)いました。

 

iKnow! のサイトが面白いよ」と書いた方が、ひょっとしたら私の記事を見て興味をもって頂いたのかも知れないと、責任の一端を感じております。

(勝手な思い過ごしかも知れませんが)

 

SSS英語研究会の掲示板は、これまでもピュアな多読へのアプローチを展開しており、そこから外れる議論については「よそでやってください」というスタンスでした。

 

人それぞれに目指す英語の質とレベルが違う中、勉強法もその人に合わせて組みあわさざるを得ないと考えており、そうであれば、ピュアな学習法が提供されているのは、使い手としては助かります。

 

いろんな人に学習法を聞いて、「●●が良かったよ」と言われたとしても、実はその人は▲▲もやっていたと言う場合、何によって語学力が伸びたか明らかにならないという問題があります。

 

その意味で、SSS英語研究会の掲示板には、ピュアな多読をやっていらっしゃる方の意見が集まることを望んでいます。

 

他方、今回興味深かったのは、「実は多読の他に●●もやっているけど、掲示板には書けないよね」という方も中にはいらっしゃるということが分かったことです。

そうなると、その方の上達が何によるのかの切り分けが難しくなります。

 

(続く)

 

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