2008-04-12
「英文法を撫でる」
ゾクゾクしました。
英文法好きの方には絶対お薦めです。特にドイツ語も囓った方は楽しいでしょう。
文法好きはますます文法好きになり、文法嫌いはこれまでの態度を悔い改めることになるでしょう。(そもそも文法嫌いなのでこの本は手に取らず、仮に手にとっても途中で放り投げてしまって悔い改めないのかも知れません)
著者のお薦めの「英文法汎論」(篠崎書林 細江逸記)もアマゾンの中古を発注してしました。
結局のところ文法と実際は違うというのは日常生活の現場の話であって、それより高いところを目指すのであればやはり規範文法をやらねばならない。
英文法の本を出しているのがイギリス人で、上を目指すイギリス人(およびアメリカ人)が熱心に文法を学んだという状況に対し、日本の日本語の文法書の位置付けはどうなんでしょう。
18世紀に英文法書を書いたラウスが、英文法を学ぶ効用として、「古典語であれ近代語であれ、他の言語の習得が容易になること」をあげている(本書 178ページ)
最近考えていたことにピッタリはまりました。
国語文法、古典文法が得意だった人は英語も得意なのではないかと。
著者がドイツに留学し、ドイツ語会話ゼロ、ドイツ語作文力ゼロからスタートして、二年後には300ページの博士論文を出して内容も表現も絶賛されるに至ったというのも、英文法をしっかりやったからだということです。
結局のところ、「英語力を身につける」と言っても、人それぞれに目指すところが違うわけですから、本書が万人に合うというわけではありません。
文法が不要でも到達可能なレベルで目的が達せられる人もいるわけです。
ここまで文法にこだわる必要のある人は極めて少数でしょう。
が、こういう世界もあると知った上で、自分の到達目標を決めるのは意味があると思います。
本書の「英文法を撫でる」というのは、どういう意図でつけられたのでしょう。
著者にしてみれば軽く触ってみただけということなのかも知れません。
私の中の文法好きの虫も撫でられてしまったような気がしています。
額賀さん、宇多田さん
神保町から大手町まで歩く間に、なぜか自民党の額賀さんの頭が思い浮かび、頭の中には「ぬかが」という音の並びが心地よく響き渡り始めました。
三文字で二番目と三番目が清音と濁音。
他にはないかと出てきたのが、宇多田(うただ)。
頭の中ではいつものごとく五十音片っ端組み替え作業が始まって、いくつか他の組み合わせも発見されました。
(これは音を意識した組み合わせ)
途中で、文字を意識した作業に切り替えて、歩幅(ほはば)が浮かんできたのですが、どうもしっくり来ません。
「ぬかが」や「うただ」においては、清音・濁音が英語の無声音・有声音の関係にあると思います。
「ぬかが」における、k と g。「うただ」における、t と d。
ところが、「ほはば」における、h と b はその関係にありません。
英語で言えば、p と b がその関係にありますから、日本語なら「ぱ(pa)」と「ば(ba)」です。
なんと。
ひらがなの体系で、清音に濁点を付けて濁音を表していて、そこでは、ぱぴぷぺぽ(pa pi pu pe po)は半濁音と呼ばれて中途半端な位置にあるわけですが、無声音・有声音という見方からは、むしろ「ぱぴぷぺぽ(pa pi pu pe po)」がメインであり、「はひふへほ」が異端ということになります。
これはなかなか面白い発見だと思いました。
(世の中的には発見ではなく、私が遅ればせながら知ったと言うことですが)
その発見にワクワクしながら、「はひふへほ(ha hi hu he ho)」の「h」を有声音化しようとしてみました。
(神田橋近辺通過中)
皆様もお試しください。
出てきたのは、ドイツ語の「r」のような痰を吐くときの音でした。
これはこれで正しいのかも知れません。
音声学をやった方、コメントお願いします。
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