2008-10-10
ロンリネスとソリチュード
先日読んだ「おひとりさまの老後」(上野千鶴子)はまあまあ面白かったです。
一般向けの本でかなり売れたみたいです。
その勢いで、しばらく放置していた同じ著者の「『私』探しゲーム」を再度手にとって読み終えることが出来ました。
上野千鶴子さんを知ったのは、"東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)"がとても面白かったからです。(東大に通おうかと思ったくらいです。入れてもらえないでしょうが)
その後何冊か買って、積んであります。
"スカートの下の劇場 (河出文庫)"とかタイトルも凄いですが、挿絵・写真も凄くて、カバーをしても人前では読めません。
と言うわけで、積まれています。
さて、「おひとりさまの老後」です。
そろそろ老後を考えなければならない年齢になった私にはとても参考になったというのもそうなのですけれど、素敵な言葉もあちらこちらに、素敵な本の紹介もあちらこちらに。
(115ページ)
「恋の決め手はカオではない。コトバである。愛し合ったらコトバはいらない、のもたしかだが、コトバがいらなくなるまでにコトバがいるのも真理。そう言ったのはノンフィクションライターの石川好さんだ。だから日本の語学下手の男は外国の女を口説けないんだそうだ」
うーむ。語学上手だが口説けないぞ。
(130ページ)
「日本語で孤独といわれるものには、『さみしさ loneliness』と『ひとりであること solitude』のふたつがある。『さみしい(ロンリー)』のと『ひとり(ソリテュード)』とはちがう」
このlonelinessとsolitudeは違うというのは、目からウロコでした。
言われればそうなのですが、solitude の訳語として孤独と当ててしまった瞬間、それは「孤独感」に見られるような、「寂しい」というニュアンスが貼り付いてしまうのです。
試しに solitudeを英和辞典で引くと、「(だれにもわずらわされず)ひとりになること」という訳語もあります。
しかし、一単語->一訳語で学んでいると、このような落とし穴が待っています。
私はsolitudeは好きです。lonelinessは嫌いです。
lonelinessを感じないでsolitudeを楽しむことが出来ます。
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