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趣味としての外国語学習

路上観察学/考現学

路上観察学/考現学

 

思えば路上観察学との出合いは、昨年の展覧会でした。

記事はこちらhttp://d.hatena.ne.jp/shibutora/20070618

 

「藤森建築と路上観察」というタイトルの展覧会で、メインは藤森建築だったのでしょうが、路上観察の方に反応してしまいました。

 

kaiokoさんはさらに藤森建築を追って出かけていったようです。

kaiokoさんのブログの記事はこちらhttp://kaioko.exblog.jp/9673719/

 

と言いつつ、今年になるまで路上観察は私の中では盛り上がらず、また、あの展覧会での藤森建築と路上観察の関係も実は良く分からないままでした。

 

最近読んだ一連の本で、ぼんやり様子が見えてきました。

 

路上観察学入門 (ちくま文庫)は、必読の書です。

路上観察学がブームになって、VOWや、最近のテレビ朝日の「ナニコレ珍百景」が市民権を得るのですが、そこに至るまでの流れが良く分かります。

が、結構アカデミックで硬いので、笑う街角 (南伸坊 ちくま文庫)の、上野千鶴子による解説をまず読むのが良いでしょう。

 

考現学が震災の後に生まれたというくだりを読んでいて、私のおやじギャグと通じる所があると思いました。

 

「それまで秩序通り積み重なっていた物件が全部地べたに並んでしまう。(略)とにかく全部の物が等価になってしまうみたいな。(略)それまでの秩序とは別の新しい白紙の目でみることになる」(「路上観察学入門」の「考現学にはじまる」から。)

 

地面に等価のオブジェとして並べられることで、それまで秩序の中では見えていなかった物が見えてくる。

それは、普通に聞き流すことも可能な言葉を抜き出してきて、そこに注目すると可笑しさが出てくるというおやじギャグに通じる物があります。

 

「笑う街角」にあった「大体が猥褻というものは、その行為なり物件なりを見る側の心の中にあるものですから、こうした物件を採集するためには、『なんだか、ソンナ事ばっかり考えているような状態』であったりするのがいいワケです」(134ページ)というのは、常に聞き間違えよう、読み間違えよう、ダジャレを作ろうとしている私の態度に近いです。

 

また、おなじ「笑う街角」の190ページには「予断を持たずに物事を見る、といのうは非常にむずかしいと思います。そうしてまた、予断というものがなければ『面白い』と感ずることもできないのではないか?とも考えているんでした。『意外』『意表をつくおもしろさ』というのは、つまり前もってシカジカに思い込む、『思い込み』があって、はじめて成立するんでした」などという部分も新鮮でした。

 

先日「かわいい」論 (ちくま新書)を読んだのも、著者の四方田 犬彦が路上観察学会のメンバーだったということのつながりで手を伸ばしたものです。

 

もうしばらくは楽しめそうです。

 

 

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