語楽カフェ

趣味としての外国語学習

さよなら英文法! (その2)

さよなら英文法! (その2)

 

読み始めてすぐに「前提が変だ」と思ってしまったので、「その後に何が書かれていても信用できない」と言うことになったのですが、私の書き方がまずくて、酒井先生は「寅彦は酒井先生の言うことは信用できないと言っている」と受け取られたようでした。

 

そのようなつもりで書いたわけではもちろんなく、だからといって、酒井先生を信用しているとも言わないのですけれど。

 

この三年くらいの間に外国語学習法関連の本は200冊くらい読んだでしょうか。著者はいろんな方がいらっしゃって、有名な方も無名の方も、学者さんも、専門家の方も、一般の方も。やや怪しそうなものも。

 

よりよい外国語学習法を求めて、著者が誰であるかを気にせずに片っ端から中立の立場で読みました。

読んでいく中で、「この人のアプローチは自分に近いので他の本も読んでみよう」とか「この人はどうしても評価できない」ということは出てくるのですけれど。

 

というわけで、酒井先生の本ですが、何度かお会いしてご指導いただいているので、完全に中立というわけにはいきません。

 

これまでも学校英語批判の本を出していらっしゃいますが、「学校英語の悪影響があまりにひどいので、そこから引き戻すにはかなり強いトーンでやらなければならない」というような内容のことをうかがったことがあります。

 

酸性の物を中性にするには、中性の物を混ぜても駄目で、アルカリ性の物を混ぜなければならないというようなものでしょうか。(比喩が下手な私)

 

というわけで、酒井先生の本を読む時は「極端な主張で一方向に引っ張ろうとしていないか」と気をつけながら読んでしまいます。

 

1. 易しい本から始めて多くの本を読むことで、英語を語順のまま理解できるようにする。

とか

2. 多読により、言葉のニュアンスの理解を深めていく。

とかいうところに反対するつもりは全くありません。

 

他方で、もともとが「ペーパーバックを楽しく読みたい」というところからスタートしている多読なので、上記の2を推し進めると、それはネイティブ表現の深いところにどんどん入っていって、それは必ずしもビジネスの世界では必要とされず、特に非英語圏の人とのやりとりでは通じないというようなことが、無視されています。

 

そこに触れずに「多読が全ての解決策」であるかのようなプレゼンをするのは危険ではないかと思っています。

 

斬れる英語の松本道弘さんも、giveとgetを活用した生きた英語を説いていらっしゃいましたが、「書き言葉では、giveとgetはまずいなあ」ということを言っていらっしゃったと思います。

 

基本単語を最大限に活用する使い方よりも big word の方が非英語圏の人には逆に通じると思います。

 

そうした意味では佐藤まりあさんの「大人のための英語多読入門」は、外国の本を楽しく読むことを多読の目的として全面に押し出しています。(こちらについてもコメントしたいことがあったような)

 

 

 

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