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趣味としての外国語学習

明海大学 通訳コンテスト 12月18日 (その2)

明海大学 通訳コンテスト 12月18日 (その2)

 

審査の間に東京外大の鶴田先生の講演がありました。

タイトルは「世界を日本に、日本を世界に伝えるためには」

 

ちなみに鶴田さんと私は同じ時期にイタリアのミラノの同じビルで働いていました。 (ということをイタリアを離れて13年たってから偶然知りました。それはそれとして)

 

興味深かった点は二つ。

 

1.「海外で活躍する力」=「国内で活躍する力」x 「語学力」

 

勝間和代さんの本を読んでいると、英語ができるようになると給料が1.5倍になるようなことが書かれていますが、あれは日本で働く場合の話。

今後我々が海外に出て行って現地の人と同じ土俵で戦おうとするならば、ここでの語学力は 「1.5」ではなく、「0.0~1.0」の間のどこかだということでしょう。

自分がシンガポールに行って、現地採用されることを思えば分かり易いでしょうか。

日本語だけで英語が出来なければ全く役立たずですから、ここの変数は 0.0。英語ができて 1.0 になってようやく一人前。

もちろん英語はできるが仕事は出来ないというようなことではお話になりません。

 

日本の市場が小さくなっていく中で、企業は海外に活路を求めようとしています。我々も同じように動くことを考える時期なのかも知れません。その場合には上の公式が参考になるでしょう。

 

 

2.通訳における背景知識の重要性

 

目新しい話ではありませんが、聖書や野球やギリシャ神話やポーカーなどの知識が必要という話。

今回注目したのは鶴田先生のスライドに「アメリカ英語の場合」と書かれていたことです。(多分)

 

アメリカ人が好き勝手にしゃべるのを日本語訳しようとするならば確かにそれらの知識は必要でしょう。

 

他方今回のコンテストのテーマでもあるビジネス英語であれば様相は変わってくるのではないでしょうか。

 

英語の国際化によりビジネス英語の使い手はノンネイティブがものすごく増えているでしょう。

 

ビジネスの場面でノンネイティブを相手にしたアメリカ人が聖書や野球の話(或いはそれに由来する言い回し)をしたとしたら、そのアメリカ人はセンスが無いのだと思います。

 

また、日本語から英語に訳す場合でも相手がノンネイティブであるケースは多いでしょうから、そこではノンネイティブにも分かるような表現を使うべきで、聖書や野球の話やそれに由来する表現は使えないでしょう。

 

鶴田先生にもこの点(1.ビジネスの世界ではネイティブ側の英語の言い回しが変わってきているのではないか、ネイティブにしか分からないような表現を避けるようになっているのではないか。2.日本語から英語に訳す場合、相手がノンネイティブであることが増えてきているであろうから、ネイティブにしか分からないような洗練された表現は避けるべきでさらには、今年注目を集めた Globish 的な英語に訳出すべきではないか)について質問しようと思ったのですが、鼻水が垂れていたのでやめました。

 

二つめの質問については、これまで通訳というとネイティブ並を目指していたと思いますので、発想の転換が必要だと思いました。

 

 

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