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IFRSを勉強するのに英語はいらないでしょう 時代は国際会計基準 (IFRS)らしい (その32)

 
今後国際会計基準の採用に向かって進んでいる中で、英語力が必要となるとあちこちで言われているのだが、本当だろうか。
 
IFRS自体は英語が原文であるが、各国語の翻訳はお墨付きを与えたものについてはそれに従うことが許されており、日本に於いては「IFRS適用に当たっては、我が国の作成者、投資者等がIFRSを理解できることが不可欠であることから、日本語に適切に翻訳され、これが、IFRS(日本語翻訳版)として広く認知されている必要がある。」と企業会計審議会の21年6月30日の中間報告にあり、また日本語版のIFRSはお墨付きを得た訳とのことです。
 
仮に日本語訳が間違っていたとしても、日本で適用されるのはIFRS日本語訳(に沿った J GAAP) であり、英語で原文を読んでオリジナル通りの運用をしたらそちらが間違いとされるのではないでしょうか。
 
英語が仮に必要となるとしたら、それは日本語訳が追いつかない場合で金融庁が先走ってIFRSの新しい基準「指定国際会計基準」として採用してしまう場合ですが、財務諸表の作り手、読み手、監査法人に多大な負担をかけてまでそのような暴挙に出るのでしょうか。(そもそも学生時代に真面目に会計士試験に向けて勉強した会計士は英語を勉強するヒマが無かったので英語が苦手な人が多い)
 
そのうち会計資格予備校と英会話学校がタイアップした IFRSを英語で読もうなどという講座が出てくるのではないか危惧しております。
 
会計が分かる人に英語を覚えさせるよりは、英語が分かる人に会計を覚えさせる方が簡単という気もしています。
即戦力と言うことであれば、老体のこの私にもお呼びが掛かるかも知れません。
 
それはそれとして。
 
英語が必要となるのは海外展開している企業の経理部門であり、会計方針の統一、会計システムのグローバル展開などの際に海外子会社の経理部門と共通の用語で話が出来て、作業が進められるようにということで英語が必要となるわけです。
 
そりゃあ英語もできた方が良いに決まっていますが、みんながみんな、IFRSの為に英語が必要になるなどといった記事は行き過ぎでしょう。