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趣味としての外国語学習

中学•高校の英語の教科書をマスターすれば英語はできる

中学•高校の英語の教科書をマスターすれば英語はできる

 

そう言う人がいて、そう言う本もたくさん出版されている。おそらく20年前はそうだっただろう。

今は文法を教えないらしいから、できるようにはならないのではないか?

 

昨年参加したシンポジウムで「文法重視だから英語ができるようにならないという経済界からの批判が100年くらい前にもあって、それが再び繰り返されている」との発言があった。

 

今回は勢いで文科省検定の文法の教科書まで廃止されてしまったらしいから、ダメージはかなりのものであろう。ゆとり教育の失敗レベルではないかもしれない。

 

文法軽視による英語力低下の状況は大学で問題になっているらしいし、社会人になってからTOEICの為に文法を勉強することになるのは、本人が望んでそうなったのではなく、良かれと思ってそう望んだ(英語教育には素人の)経済界や親たちのせいなのではあるけれど、不幸なことである。

 

百年前にもそう言うことがあった。と言うことを十分に伝えていない英語教育史研究者にも責任ありとのバランスの取れた発言もシンポジウムでは為されていた。

 

英語学習における文法教育は、建築現場の足場のようなモノであり、完成の暁には取り外されるモノである。

取り外されるレベルまでに達しないことから、「足場を作るのに一生懸命で建物が完成しない」という批判につながっているのだろう。

 

日本人が学校教育と予習復習で勉強する英語の時間を全部足し合わせてくっつけると、海外留学2ヶ月分だという記事をどこかで読んだ。

2ヶ月の海外留学で達成できるレベルなどたかが知れているし、それを何年もの時間を掛けてやるのでは薄まってしまって上達しないのは当たり前である。

 

文法教育の復活を期待する。