語楽カフェ

趣味としての外国語学習

英語速修マニュアル(山崎紀美子著)ちくま新書

英語速修マニュアル(山崎紀美子著)ちくま新書

英語速修マニュアル(山崎紀美子著)ちくま新書

ブックオフで105円で買いました。105円の本です。

英語ロシア語ブルガリア語に堪能な著者は優秀な方なのでしょうが、この本に限って言えばいろいろなテーマ新書に詰め込んだことで、焦点がぼけた著作となっているのが残念です。

各章毎に別々の本にしても良かったのではと思います。

面白かったのは

・「日本語大和ことばと漢語があるように、英語にもアングロサクソン系(大和ことば)とラテン系(漢語)がある」との主張(75ページ)

単に語源的にアングロサクソン系とラテン系の単語が存在するのではなく、実際の法律文書などで理解を助けるために両系列の単語を併記することが行われているということだそうです。

言葉遊びで、「Time flies like an arrow.」は、一般的には Time主語とし、flies を動詞として、「光陰矢のごとし」と訳されるが、Time flies を主語、like を動詞とすると、「時間バエは矢を好む」と訳すことも出来る。意味的にナンセンスであるが、コンピューター自動翻訳では正解とされてしまうという話。(93ページ)

・同じく、「The good can decay many ways.(良きものの崩壊する姿は様々である)」「The good candy came anyways.(美味しいキャンディーはとにかく届いた)」は、同じ音に聞こえると言う話。(94ページ)

・準日本語と純日本語(144ページ)

日本語英語の文法構造の違いから、逐語的に日本語訳すると翻訳調の準日本語になる。英語日本語の対応を重視すると準日本語が正式なものとして通ってしまうという話。

それから、74ページにドイツ語は話すが英語ほとんど駄目なフィンランド人が、留学生のことを「strange students」と言ったのに対し、著者がフィンランド人の想像力のたくましさに感心したという話がありますが、イタリア語フランス語などでは、strange の意味の strano / ?trange と、foreign の意味の straniero / ?tranger は近いので、それほど驚く話でも無いと思いました。