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趣味としての外国語学習

「外国語の水曜日―学習法としての言語学入門」 その2

「外国語の水曜日―学習法としての言語学入門」 その2

「外国語の水曜日―学習法としての言語学入門」黒田龍之介著(現代書館)の続きです。

・発音記号について

「かつての英語教育ではこの国際音声字母がたいへん重視され、世代によっては中学校英語の時間に英単語のスペルを覚えるのと並行して、この「発音記号」を学んだこともあった。......同じ記号を使っていたとしても、たとえば英語フランス語ではその表す音が微妙に違っていると言うこともある。これだけの記号で世界中のことばの音を記述しようと言うのだから、完璧というわけにはいかない。過信は禁物なので気をつける必要がある」(180ページ)

過信するくらいしっかりやっている人がもっともっと増えて良いと思います。

一つの外国語しかやらなければ問題はさほど大きくないのですし。

・語順

220ページに引用されている数字で、世界の言語においては、日本語のようなSOVの語順のものが、SVOのものより多いとされています。

へぇー」という感じです。

・ことばの「間違え方」

母語に引っ張られて外国語を間違える、そのパターン外国語教師はよく知っておかねばならない(237ページ)

ネイティブなら外国語を上手に教えられる訳ではないということです。

ひっくり返せば、外国日本語教師になりたいと思ったら、日本語と同様にその国の言葉について深く知っている必要があるということです。

国語文法(日本人向け)と日本語文法(外国人向け)

外国人日本語を学ぶ場合は、日本人が文法を学ぶのとは順番が違う(245ページ)

外国人向けの日本語教科書を読みたくなりました。

ネイティブ利用法(252ページ)

基礎知識のないネイティブを有効活用するポイントとして

1.文法に関する質問は絶対しないこと。

2.発音と作文を直してもらうこと

を上げている。非常に納得。

その他、面白そうな本をいくつか紹介しています。

私が興味を持ったのは

「英語の辞書を使いこなす」講談社現代新書

「英文翻訳術」ちくま学芸文庫

「外国語としての日本語―その教え方・学び方」講談社現代新書

「フィンランド語は猫の言葉」講談社文庫