帰国オヤジ
帰国オヤジ
私は会社に入って5年目に海外に出ることになり、その後12年半の海外留学/勤務を経て帰国しました。
帰国子女ではありません。帰国オヤジです。
帰国子女という言葉も、バイリンガルという言葉と同じで定義が曖昧な言葉ですね。
例えば、親の仕事の都合で、生まれてすぐにアメリカに渡った子供が、私のように12年半現地で暮らして帰国したならば、その子は言語的にはアメリカ人でしょう。
最近は海外にも日本の私立校が進出していて、全寮制で日本語で授業を受けていたり、あるいは、大学の帰国子女入学枠を得るためだけに海外に行くようなケースもあるのではないでしょうか。
これらの様々なケースをひとくくりに「帰国子女」とするのは、危険なことです。
日本語が出来上がってしまった我々は、完璧なバイリンガルには達しないにしても、日本語能力を維持したまま英語能力の向上を図ります。
帰国子女の場合は、帰国子女の持つバイリンガルのイメージとはかけ離れて純粋にモノリンガルの人もいるでしょうし、うまく行った場合は完璧バイリンガルになっているでしょうし。
その中間にいる人もたくさんいるでしょう。
気をつけるべきは、その中間と言った時に、どちらかの言語がしっかり出来上がっているとは必ずしも限らないことです。
少し変、と言うくらいであれば良いものの、どちらも中途半端な「セミリンガル」となることもあり得るのです。(ことばが中途半端だと、思考能力も中途半端なままです)
この辺の話は、講談社ブルーバックス「バイリンガルの科学」に詳しいです。
自分の習得する言葉を、子供は選べないケースがほとんどです。親の見栄やエゴで子供をセミリンガルにすることの無いようにと願います。