快読100万語!ペーパーバックへの道
快読100万語!ペーパーバックへの道
面白い本でした。
これだけやることはお薦めしませんが、うまく取り込めそうな気がしています。
とりあえずフランス語でやってみようかと思っています。
「やさしすぎるくらいやさしい本からはじめて、無理なく読めるレベルの本をたくさん読んでいるうちに、読書量が100万語に届くころには、英語のホームページも楽しめる、ほんとうの英語力が身につくのです」
ということです。
基本100語しか使っていない絵本からスタートして、分からない単語は飛ばし、英文和訳をせずに頭から理解するようにし、快適なスピードでどんどん読む。
読んだ語数が(語彙数ではなく)100万語に達する頃には、ペーパーバックがすいすい読めるというものです。
辞書も文法書も使いません。
さらにシャドーイングも併用すれば、音も理解できるようになり、聞き取りもできるようになるというものです。
文法書も辞書も使わずに、多読によって、そこから文法規則や語彙を身につけるということなのでしょうが、気になる点がいくつかあります。
・話せるようになるかどうか
このトレーニングの目的が、「ペーパーバックを快適に読む」という事だけであれば良いですが、これだけで話せるようになるかどうかは、著者も「良くわからない」としています。
シュリーマンの場合は、数百ページに及ぶ本を暗唱して覚えていますので、それを使って話せるようになったことが推測されます。また、作文をネイティブに直してもらったと言う記述もありますので、それにより、アウトプットのトレーニングをしていたことになります。
・間違えて覚えないか
多読の間に文法規則や語彙を身につけると言うことですが、勘違いしたまま放置されることはないかという懸念があります。
上述の通り、シュリーマンも自分が読書から身につけた文法知識をネイティブに使って修正をかけていました。
このプロセス無しには、間違いが放置されるおそれがあり、ペーパーバックを楽しむためだけであれば良いでしょうが、ビジネス文書や学術書を読む際には危険があると思います。
・日本語を介さないこと
「訳せないけど書かれていることはわかる」というような実践者のコメントがありました。
確かに、自分で楽しむだけであればそれで良いでしょう。ただ、そこで学んだことを誰かに伝えようとしたときにできないということで良いかという疑問は残ります。
ここでも、自分一人でペーパーバックを読むだけだと言うのであれば、問題にならないのですけれど。
もちろん私も、普段読むときには言語のままでどんどん理解しているわけですが、それを日本語に翻訳できるということは重要な能力だと思っています。