ピアニスト
ピアニスト
ピアニストやバイオリニストは ist で終わるのに、ドラマーはどうして er なのでしょう。
通勤途中で考え始めてしまいました。カバンに電子辞書は入っていましたが、歩きながら調べるわけにも行かず、また、考える過程も楽しかったので。
私の考えの流れを書きます。
ドラムだと、ドラムを叩くという動詞が元になっているので、それはランナーとかティーチャーとかと一緒で、動詞+er の形に違いない。
それに対して、ピアノやバイオリンは名詞なので、ist が付いたのであろう。
スタイリストという職業があるが、スタイリングという形があることから推測すると、スタイルは動詞に違いない。
すると、スタイリストではなく、スタイラーとなるのが本当なのではないか。
会社に到着して、声楽を習っているYさんに質問をぶつけました。
彼女の答は
「舞台で花がある、ソロを取れるものが ist。バイオリニスト、チェリストはソロをとれるが、トライアングリスト、カスタネッティストにはならない。歌でもソプラニストとはいうが、それ以外は言わない」
と言う内容でした。
慌てて手元の伊和辞典を引くと、ソプラノにソプラノ歌手という意味が既にありました。
すると、ソプラニストというと、シンガー(歌手)という単語にさらにist をつけて、シンガリストというような感じです。
ネットで検索すると、男性のソプラノのことをこう呼ぶというような記述がありました。
主義・主張にかかるものは、ist コミュニスト、ソーシャリスト
ただし動詞に引っ張られるものは er ドラマー、トランペッター
なるほど。
主義については、ism とのセットになるので、(コミュニズム/コミュニスト) わかりやすいですね。
この点から、スタイリストはひょっとしたら主義主張が強く、スタイリズムという言葉もあるのかも知れません。
などと考えているうちに、イタリア語の ista という語尾の単語がたくさんあることに気づきました。
英語の歯医者(dentist)は、イタリア語のdentista から来ているのでしょうか。
音楽家は ムジチスタですが、英語には ist の形では入らず、フランス語の形が入って、ミュージシャンになっています。
ということは、ひょっとすると主義・主張/楽器などという切り分けは必ずしも厳格ではなく、どの時期に、どの国から単語が入ってきたかによって、英語の単語の形が決まっているのかもしれません。
言語学は奥が深いです。