休暇中の読書で学んだこと
休暇中の読書で学んだこと
1.
Dan Brown の Angels & Demons の37章に、次のようなくだりがありました。
Remember! she told herself. Remember the solution to this test!
Remembrance was a Buddhist philosopher's trick. Rather than asking her mind for a solution to search for a solution to a potentially impossible challenge, Vittoria asked her mind simply to remember it. The presupposition that one once knew the answer created the mindset that the answer must exist...
このアプローチも素晴らしいと思いましたが、ここで出てくる remember について、「覚えている」という意味と「思い出す」という意味と二つあるということを時々忘れてしまうなぁと思いました。
I don't remember. だと、「覚えていない」で、その内容は常に意識に存在すべきもの。
I can't remember. だと、「思い出せない」となり、その内容は普段は意識に上っていないのだけれど思い出そうとすれば出てくるはずのものが、今思い出そうとしたら出てこない。「ど忘れした」ということでしょうか。
前者も、「私は思い出さない」という有り得なさそうな文脈でも使えるのかも知れません。
2.
Antonio Tabucchi の Piccoli equivoci senza importanza. を途中で放り投げたのはいささかショックでした。
短編集なので、一つつまらなくても我慢していれば次が面白いかも知れないわけですが、4つめの途中で止め。
読んだという三つも、あまり良く分かりませんでした。
「Kazuo Ishiguro は読めても、Antonio Tabucchi は読めない」
フランス語やイタリア語は英語に比べて語彙が少なくて済むのですけれど、私のイタリア語の語彙は、少ない上にさらに仕事関係に偏っているようです。
文学書をさらに読まねばという思いを強くしました。