2006-11-15
ルモンドを読む会とその準備と筋トレと
今週日曜は、「ルモンドを読む会」です。
毎月第三日曜の午後に都内某所に集まって、ルモンドの記事(主に社説)を読んでいます。
ミクシィでしか募集していないので、新しい人がバンバン来るという事にはなりませんが、私が参加していることが明らかになった以上、次回からは会場は武道館か東京ドームに変更することになるかも。。。
ということで、今回の課題は、以下の二つ。前者はルモンドですが、後者はテレラマからです。
テーマを色々変えてみようと、世話人さんが記事選びに苦労されています。
http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3232,36-830426,0.html
"Tout est donc possible"
http://www.telerama.fr/scenes/M06092616031012.html
Dialogue des cultures ou parade exotique ?
今週は電車の中はその予習をしているので、多読はちょっとお休みです。
その準備をしながら、外国語の勉強と、筋トレとの類似点に思い至りました。
筋トレをやろうと思うのは、いろいろな目標があってのことだと思います。
次の夏に格好良くビーチにデビューしてカノジョを見つけるだとか、ホテルのプールにデビューしておねえさんと仲良くなるとか、ブダペストの温泉にデビューして東欧の金髪美人と仲良くなるとか。
人によってそれぞれ違うと思います。
語学学習に関しても、海外旅行で困らないようにとか、将来移住したいとか、外国の本・映画を楽しみたいとか、いろいろあります。
これらはトレーニングが終わった後で何がしたいかという意味での目標であり、モチベーションの維持のために、極めて重要です。
が、
今日考えていたのは、毎日の個別のトレーニングにおいて、「このトレーニングは何を鍛えるためにやっているのか」ということを意識しながらやるべきだと言うことでした。
筋トレでは、同じ腹筋運動をするのでも、どのあたりの腹筋を鍛えるのか意識しながらやります。
今回のルモンドの会に参加し、この記事を読むことにより、いろいろな効果が期待されます。
1.記事に書かれている内容が理解できる。(記事の内容に興味がある場合。日本語があればそちらを読んでも良いのかも知れない)
2.複雑な文章構造をしっかり読み解くことができる。
3.新しい単語を覚える
4.会に参加する美男美女と仲良くなる
1.記事に書かれている内容が理解できる。
記事の内容を理解しようとする場合、今回のシラク大統領の記事であれば、Le Figaro のインタビュー記事を探しに行ったり、UMP の話や、サルコジの話とか、どんどん拡がっていきます。
これまでに「ルモンドを読む会」で扱った記事は、アフリカから欧州への移民問題、ツールドフランスでのドーピング問題、イスラエルのパレスチナ侵攻など、さまざまで、それらを理解しようとすると調べ物が毎回大変な量になります。
その過程では、日本語で調べ物をしたりします。
背景説明が分かると、文章の意味が分かると言うことはあるのですがこれはよく考えると、フランス語の勉強ではありません。
2.複雑な文章構造をしっかり読み解くことができる。
さすがにルモンドの社説というような、複雑な文構造に出会うことがあります。
この代名詞は何を指すかとか、この関係代名詞はどうだとか、一人でさっさと読んでいたときには見過ごしていたような細かい部分をじっくりと読んでいきます。
何語をやるにしても、このようなきっちりした精読は必須だと考えています。
3.新しい単語を覚える
見慣れぬ分野の記事だったりすると、知らない単語がわんさか出てきます。
ルモンドを読む会では、順番に訳を付けていくので、やむを得ず全部訳します。
ただ、普段馴染みのない分野の語彙というのは、課題とされているから訳してはみるものの、今後の人生で二度と出会わない確率も高いと思われます。
訳語が一杯書き込まれた記事のプリントアウトを見ると、誤った達成感を得てしまうのですが、本来やるべき事は、調べた語彙のうち、今回の記事にしか出てこない語彙と、一般的によく使われる語彙とを色分けして、後者についてはこの機会に覚えてしまうという努力をすることではないでしょうか。
そうしないと、折角出会った重要語句を覚える機会を逸してしまい、また同じ単語に出会ったときに意味が分からないということになるでしょう。
4.会に参加する美男美女と仲良くなる
仲良くなれるかどうかは相性の問題がありますのでここでは確約できませんが、美男美女は揃っています。(これも主観の問題ですが)
さて、ここまで分析してみると、「ルモンドを読む会」で使っている筋肉が何かということがわかり、無駄なエネルギーが消費されていないかということが見えてきます。
記事の背景にほとんど興味が無く、純粋に語学能力を高めようとしているフトドキモノの私にとっては、理想的な講読というのは、
・記事の内容は、背景知識を必要としない
・文法構造、言い回しなどは、普通に使われるが、凝ったもの
・単語は必須単語(辞書で☆や*がついているもの)を中心とし、特殊分野の用語は出てこない
・参加メンバーは美女がたくさん。
ということになります。
「使っている筋肉が何か」ということは、語学関連の試験についても言えます。
その能力を伸ばすことは、自分の語学学習の方向と合っているのかどうか。
例えば通訳案内士試験(通訳ガイド)においては、日本語で問われる地理・歴史・一般常識などの問題がありますが、これらを勉強することは、語学能力を伸ばすこととは直接関係ありません。
テスト結果を利用する側についても同じで、インプットの能力を測るTOEICの結果を見て、その人のアウトプットの能力を判定しようとするならば、それは学校や会社が間違っていると言うことになります。
外国語学習に王道はないですが、できるだけ近道で行くことは可能ではないかと思います。
自分のたどり着きたい場所を明らかにし、その為に必要となる筋肉はどれで、どのくらい鍛えれば良いかを理解し、毎日のトレーニングでは、その筋肉を鍛えることに集中して無駄な時間・エネルギーを使わないようにする必要があります。
今日のアナグラム
入選
功名が辻(こうみょうがつじ) -> 口実が妙(こうじつがみょう)
高砂熱学(たかさごねつがく) -> 誤差?熱が高く。(ごさ、ねつがたかく)
ドトールコーヒー -> 滞る。ひー!! (とどこーる。ひー!)
Conspiracy theory
今読んでいるのは、「文科省が英語を壊す」(茂木弘道著)中公新書ラクレです。
ブックオフで105円で買いました。
内容的には鈴木孝夫氏の「日本人はなぜ英語ができないか」とかなりかぶっている気がしますが、興味深い話もいくつか。
・小さい頃から始めても覚えるスピードが速いわけではなく、習得には同じ時間がかかるという研究結果の紹介。(48ページ) (習得できるとしたらということですけれど)
・「帰国子女が帰国後に週に二時間程度の英語保持教室に通っても、加速度的に忘れていく。特に小学校二年生以下では、三ヶ月後には全く英語を失う」という、「バイリンガルの科学」(これも良い本です。入手不可のようですが)の内容を紹介した上で、「英語ゼロの小学生に週二時間くらい英会話を教えても、記憶に残るものはほとんどない」(51ページ)
このような本が沢山でいるにもかかわらず、引き続き「コミュニケーション重視」とか、「早期英語教育」と言っている人がまだまだいると言うことが不思議でしょうがなかったのですが、本日、その謎が解けました。
英語公用語論にあるように、全ての日本人に英語力をつけようとしている人たちの旗振りでこのような事態になっているように見えますが、実際は逆なのではないでしょうか。
1. 語彙・文法・読解・反復訓練を軽視した結果、これまで以上に英語のできない人が増える。
これは、結果として鈴木孝夫さんが述べている、「エリートだけが英語をやればよい」という状況を実現するチャンスです。
一部の志のある人は、正統派の英語学習で基礎力をつけ、外国に活躍の場を見いだすことでしょう。
2.大多数の人が、中学で習うハンバーガーの買い方のレベルを越えないまま英語教育を終える
「複雑な語彙や文法は良い。海外旅行に行ったときに困らない程度で良い」ということを目指す人が多数だとするならば、結果として、国民の目指しているレベルにあった英語教育レベルを提供しているということではないでしょうか。
恐るべし。
ブルブルブル