語楽カフェ

趣味としての外国語学習

BINGOカードと訳語と意味と英英辞典と英和辞典と

BINGOカードと訳語と意味と英英辞典と英和辞典と

英語が上達してきたら英英辞典にすべきだと言う方がいらっしゃいます。

私はずっと英和辞典です。(仏和辞典です。伊和辞典です)

何度か英英辞典を使ってみようと試みたこともあったのですが、挫折しました。

辞書にしろ、文法書にしろ、人間言語活動を観察して類型化して記述したものに過ぎません。

始めに辞書があってそれに基づいた言語活動があるわけではありませんから、英和にしろ、英英にしろ、どちらも正確ではないということになります。

英和と英英の違いは、配られたビンゴカードの違いのようなものでしょう。

二つのビンゴカードのそれぞれに書かれている数字(訳語)は異なり、ビンゴ参加者(学習者)によって消していく番号(覚えていく訳語)の順番も異なるのですが、番号が消えていく(知っている訳語が増えていく)に連れて、ビンゴカードが完成に近づく(単語の意味が見えてくる)というものです。

もちろん、ビンゴカードに出てこない番号(訳語として書かれていない部分)もありますので、その部分については、多読、多聴により、補っていかなければならないのですけれど。

以前、辻谷真一郎さんの翻訳講座を見学した際に、辻谷さんが

辞書に出ているのは意味ではない。訳語である」

とおっしゃったのですが、これがまさしくぴったり当てはまります。

単語の意味を、完全な円と例えましょうか。

全ての訳語を書き出してつなげると円になるのですが、例えば英和辞典には訳語が5つしか書かれていないので、五角形しか作れません。

英和大辞典なら、八角形かも知れません。

英英辞典を使っても、それは同じです。

同じ五角形でも、円周の上に置く点が、英和辞典とは異なっているかも知れませんが。

この足りない点を補っていくのが多読・多聴であり、それによって、五角形が円に近づいていくのです。

辞書の訳語しかあり得ないという考えは危険です。

もちろん、学校英語の英文和訳では、辞書にない訳語を当てるのは別の意味で(点数がもらえない可能性があるという意味で)危険ですが、英語英語として理解する場面においては、五角形ではなく、どれだけ円に近いものを持っているかがポイントになります。

他方、この円に近づける作業の一貫として、あるいは基礎単語を身につける方策として、用例が多い基本英英辞典を通読することは意味のあることだと考えています。

(私もやろうと思っていて、なかなかできないのですけれど)

フランス語であれば、ラルースやさしい仏仏辞典Niveau 1が入手可能であればお薦めです。

英語辞書ではないのですが、ロングマンの Pocket Activator の通読をやろうと買い求めて、積んであります。