2007-02-13
アメリカの子供はどう英語を覚えるか
ブックオフで見かけたのですが、買わなかった本です。
こんな本が出されるというのは興味深いことだと、考えさせてくれました。
前提としては、「アメリカの子供が英語を覚えていくように覚えれば、日本人も英語を覚えられる」というものがあると思いますが、
・日本人の大人がそれで学ぼうとするのであれば、母語獲得と第二言語習得との違いからうまく行かない
・日本人の子供がこれで学ぼうとするのであれば、英語に触れる時間が圧倒的に少なすぎて、周囲に間違いを直せる人も限られており、うまく行かない
という点では、単なる読み物に終わるのではないでしょうか。
また、「アメリカ人の子供の英語の習得は日本人の子供の日本語の習得と何か異なる仕方がある」ということを前提にしているのだろうと思います。
しかしながら、(これは推測ですが)
・どこの国の子供でも、周りの人たちの使う言葉を聞いて覚えて行く点で違いはなく、その際には周りの人が間違いを直してあげる点でも同じではないか
・もし子供の言語習得過程が、大人が第二外国語として学ぶ際に有益なのであれば、今頃は世界中の言語について同様な研究が行われて、その結果が大人に対してフィードバックされているであろう
ということから、結局のところは単なる読み物でしょうと結論づけました。
(どこかに発見はあったのかも知れませんが、読まなければいけない本が5メートルくらい積まれているので、とりあえずパスです)
TOEIC
雪が降らないうちに春になってしまった感じです。
妻は花粉症が既に始まったようです。
さて、春のような陽気の中で、TOEICについて考え事をしていました。
TOEICのテストの関連で、以下のようなコメントを目にすることがありました。
1.TOEICの点数が良くても話せない人がいる
1については、以下のことが言えると思います。
そもそもTOEICはインプット能力を測定するテストであり、その人のアウトプット能力については何も判定しない。
よって、TOEICの点数が高いのにアウトプット能力が低いと言うのは、的はずれの批判である。
2については、「英語ができる」ことの定義を明らかにする必要があると思います。
少なくとも言えるのは、周りの人が「あの人は英語ができる」と判断する場合、それは話す能力を差すことがほとんどであるということです。
その意味では上の1と同じこととなります。
3については、以前も書きましたが、100点満点でインプット能力/アウトプット能力が、40/30の人の方が、80/5の人よりも良くしゃべるので英語ができるように見えてしまうが、TOEICはインプット能力の試験なので、後者の人の方が点数が高くなると言うことです。
最近は英検1級も、全く日本語を介さないテストになってしまったようです。
英語能力に関するいろいろなテストが、何の能力を測定しているかについて、ちょっと調べてみようと思います。
これまでの伝統的な「読む・書く・聞く・話す」という四技能という切り分けでは説明しきれないと思います。
英検1級は日本語を介在させないのですが、四技能をテストしています。それでは、以前の英文和訳、和文英訳を含んでいた英検1級は、四技能に加えて何の能力を試していたのでしょう。