2006-03-25
語彙
外国語をやっていると、「日常会話が難しい」と思うことがあります。
イギリスで長い間仕事していても、夕方パブに行ってイギリス人と話をすると会話について行けないとか、あるいはタブロイド紙の内容が分からないとか。
普段会話をしている相手ですから、ここで問題になるのは、話題であり、単語です。
イギリスの公立学校での教育問題とか、クリケットの試合の話とかだと、分からないのも仕方ないでしょう。
イタリアに5年いましたが、未だにレストランのメニューは苦手です。買い物は妻に任せていましたから魚や野菜の名前はほとんど知りませんし、食事も妻の手料理がほとんどだったので。
ここで問題にしたいのは、それらの単語が重要であると考えて、覚えようとしてしまうことです。
基本語といわれる5000語くらいまでは仕方なくやるのですけれど、それ以降は自分の興味のある分野についてのみ語彙を増やしていけば良いのではないでしょうか。
私自身は見聞きして単語を増やしていくタイプです。
一生懸命覚えた単語でもその後使わなければ忘れていくのは仕方ないと思っています。
「アメリカ人ネイティブが使う口語表現」とか言われても、くだけた会話をする状況はほとんど無いので、私のターゲットの外です。
私のバイブルの一つの「外国語上達法」千野栄一(岩波新書)には、習得語数のゴールを設定すべしと書かれていますが、習得語のエリアを設定することも重要かも知れません。
対象とされた言語活動が自分の目標とする分野と違う場合は、提示された単語や成句の重要度は必ずしも正しくないのではないでしょうか。
ありとあらゆる分野での語彙を増強しなければいけないとしたら、それこそポルノ小説に出てくる語彙もしっかりカバーしていかないと、パブでの怪しげな会話について行けません。