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趣味としての外国語学習

英語は耳からマスターする!世界でいちばん確実な方法

英語は耳からマスターする!世界でいちばん確実な方法

ゴールデンウィークブックオフハシゴの時に買った本です。

韓国ベストセラーになったと言うことで興味を持って買った物です。

日本と同じく英語で苦労する韓国ですが、同じく韓国ベストセラーとなった「英語は絶対勉強するな」がとても面白かったので、これにも期待したのですが、失敗。

何故ベストセラーなのか分かりません。

650円も出してしまいました。105円でも良かったかも。

「はじめに」から引用すると

・多くの人が誤解しているが、英語学習の順番は「読む」「書く」「聞く」「話す」ではなく、「聞く」「話す」「読む」そして「書く」である。この順序が狂えば、絶対に無理が生じる。

リスニングを始めて二百九十七時間目に、ついに私の耳は英語を聞き取れるようになったのである。

とあります。

1.聞く

これだけを読むと、「話す」「読む」「書く」はひとまず置いておいて、「聞く」だけやっていれば英語ができるようになる感じですが、実際に読んでみると、決してそんなことはありません。

著者は中学高校大学英語を有名校で勉強し、分からないと苦しみながらも英語を使って仕事をしていて、そして51歳からリスニングに注力し始めたとあります。

すなわち、文法や単語のストックがあって、聞き取りを開始したことになります。

未知の言語を、リスニングだけで習得できるかというと、答は No だと思います。

音や単語や文法の決め事が分からないまま聞き続けても、それは全部がひとつながりの雑音でしかないですから。

本文にも「知らない単語にぶつかってもやり過ごせ」という記述があります。すなわち、リスニングの段階では、ある程度の単語を知っている必要があると言うことです。(文法もしかり)

納得できると思ったところは、著者も「読む」と「聞く」は関連ある能力だと認識していて、しかし「読む」に注力すると、分からない単語に引っ掛かって調べてみたり、頭から理解せずに後ろに戻ったりしてしまうという欠点があることから、「読む」代わりに「聞く」を推奨し、分からない単語は飛ばし頭から理解するように努めようと言っていることです。

普通に読むときにも、分からない単語は飛ばし頭から理解するように努めている人にとっては、不要のアドバイスかもしれませんね。

また著者は読むときは大きな声で音読することを勧めています。

これも結果的にはリスニングと同じで、分からない単語は飛ばし頭から理解するようにするためのものです。

いずれにせよ、

「私は辞書を引かずにたくさんの本を読んだからこそ、英語をより速く理解でき、より速く習得することができた。たくさん聞いてたくさん読む以外に、英語をマスターする方法があるだろうか? 英語勉強王道はないのだ」(106ページ)

などという箇所にさしかかると、リスニングだけで良いと勘違いしてこの本を買った人は裏切られた気分になるのではないでしょうか。

著者はあくまでも習う順番が違うと書いていただけで、リスニングだけで良いとは一言も言っていなかったのですけれど。

私から言わせれば、順番にこだわらずに最初から四技能バランス良くやればよいのにと言うことですけれど。

2.三百時間で聞き取れるようになる

量的変化が質的変化をもたらすということである。言い換えれば『たくさん聞けば聞き取れるようになる』ということだ」

英語リスニングには臨界点がある。臨界点に到達するまではまったく変化がなくても、その臨界点に到達すれば突然反応が表れるのだ。

(123ページ)

これについては、私も実感があります。

英語は絶対、勉強するな!」にもありましたが。

それが300時間なのかどうかは良く分かりませんが、私も高校から大学にかけての時期にこの瞬間が訪れました。

アルク社のヒアリングマラソンも、一日3時間、一年間で1000時間。(ただし一日の3時間のうち、しっかりと聞くのは1時間で、あとの2時間は聞き流すことから、結局年間300時間になるようですが)

この瞬間が来ることを信じて、ひたすらリスニングに励むしかありません。

英語はこのように時間がかかったのですが、英語耳ができてから学んだイタリア語フランス語。あるいはちょっと囓ったドイツ語について、最初から音が耳に入ってきたのは不思議です。

3. 最後に

これがベストセラーとなると言うことは、韓国英語教育では、リスニング軽視の傾向があるのではないかと思いました。

最近、「読む必要がありません」という本の書評ばかり書いていて、あまり読者の参考になっていないかもしれません。