2006-08-12
100万語多読
不思議なことは
・定価は4.99ポンドと書かれていて、1ポンドを200円としても 1,000円なのですが、1,050円で売られていました。
・ちなみに、日本語版は1,890円でした。
・通常は洋書はAmazonが安いのですが、Amazonでは、1,112円でした。
・このISBNコード「0141025808」は、日本のAmazonではヒットするのですが、英国のAmazon、あるいは、出版元のペンギンのサイトではヒットしません。
ひょっとしたら、洋書の輸入業者の株式会社三善が、日本向けに特別に印刷させたものかもしれません。
いずれにせよ、安ければ良いわけで。
輸送費を無視すれば、原書で買えば翻訳家に支払うコストはいらないわけですし、誤訳のリスクもありません。
イギリスは本も定価はあっても割引で売られますし。
言葉に問題がなければ、原書で、あるいは安く売られている言葉で読めば良いわけです。
SSSの100万語多読はかなり広まっているようで、丸善の洋書コーナーにもそれ向けのコーナーがかなりしっかりとありました。
フランス語、イタリア語はほとんど見る物がなく、残念でしたが。
最近はインプットが足りない気がしているうえに、インプットが仕事関連で、単語が偏り、文法や表現が単調だという感じがしています。
ちょっと多読に力を入れてみたいと思います。
生寅の会 フィルター 図3
図3をご覧ください。
まずは、左下の図から。
フィルターを通して、外の事象(ここでは言語表現)を理解し、頭の中にその内容を再現し、逆に頭で考えたことをフィルターを通して、言語表現として伝達します。
それはトコロテンを押し出す器具の穴のような物です。
穴が細かく沢山開いていれば、フィルターを通す前のイメージと、通した後のイメージはとても近い物になります。
逆に穴があまり開いていなければ、最初のイメージのほんの一部しか通過できず、正しく理解できないことになります。
あらゆる言葉が、同一の事象を同様にうまく描写できるという前提に立つならば、それはフィルターの穴の開け方の違いのようなものです。
穴がランダムか、横縞か、縦縞か、格子か。
十分に細かければ、脳に伝わるイメージは穴の開き方に影響を受けません。
インプットもアウトプットも同一のフィルターなのですが、その穴は必ずしも双方向に開いているわけではありません。
読み聞きしたときには分かるが、自分では使えない(話し書きできない)ような語彙/文法等については、穴は外から中に向かっては開いているものの、中から外には開いていないということになります。
左上の図で、フィルターが二つありますが、左側を英語用フィルター、右側を日本語用フィルターとしましょう。
バイリンガルであれば、英語のインプットは英語のフィルターを通して理解し、それを英語で返すときは、英語のフィルターを通して返します。
日本語での会話も同様です。
英日通訳であれば英語のインプットを英語フィルター経由で理解し、その内容を日本語フィルターを通して出力します。
これが学習初期であると、右の図のようになります。
すなわち、英語の文字表現、音声表現を受け取った場合に、(英語のフィルターができていないことから)問題となっている単語/文法表現に相当するフィルターの穴を、日本語のフィルター上に探します。
逆も同じ経路を辿ります。
英語のフィルターが出来上がり、その穴が双方向で細かく開いてくれば、これが可能になります。
例えばイタリア語のフィルターが出来上がれば、それをコピーしてフランス語のフィルターを作ることは容易です。
両者がとてもよく似ているからです。
また、片方の言葉でしかフィルターに穴が開いていないときに、上述の初期学習者のように、対応する座標を探しに行くことも可能です。
例えば、フランス語で単語の性が分からないときに、イタリア語の該当の単語の性を確認し、それを使うというようなものです。(イタリア語は名詞の性により、語尾がしっかり変わるのでわかりやすいからです。私も良くやります。)
「昔はもっとできたのに、最近使っていないからできなくなってしまった」
と言う場合に、単にフィルターの穴にホコリが溜まっただけなのか(そうであれば、ちょっとトレーニングしてホコリをはらえば元に戻ります)、あるいは穴自体が埋まってしまったのか。
ピアスの穴も、放っておくと埋まってしまうそうです。