2006-08-02
教えられ下手
新入社員のO君。
毎日毎日新しいことをいろいろな人から教わっている。
O「僕、どうも教えられ下手みたいなんです」
私「なんだいそれは?」
O「教えるのに上手下手があるのと同じように、教えられる方にも上手下手があると思うんです」
私「へぇー」
O「僕はちょっと込み入った話になると、眉間にしわが寄って、不愉快そうな顔になるんです。それは教える側としては、さらに不愉快なことだと思うんですよ」
私「なるほど」
語学学校などで、教師の教え方の上手下手を論ずることはこれまでもありましたが、自分自身が教えられ上手か下手か。
考えてみても面白いと思いました。
私自身は教えるのが上手かどうかはわかりませんが、世話焼きなので教えるのは好きです。
(それは中年のオヤジが説教好きなのと同じなのかも知れませんけれど)
英文読解のストラテジー
今読んでいるのが、「英文読解のストラテジー」
認知心理学や言語心理学の観点から英文読解を説くもので、まさしく今のわたしにピッタリです。
あちこちにスキーマが出てきて、すきまだらけの本です。
この本を薦めていたのが以前に読んだ「勉強法が変わる本-心理学からのアドバイス」
芋づる式の読書ですので、周辺の知識が拡がっていくのが心地よいです。
本というのも巡り会いです。
全く別の機会にこの本を読んでいたらそれほどすごいとも思わなかったかも知れませんが、たまたま「スキーマ」で盛り上がっている時だっただけに、ピッタリの本です。
「パッとしない男性なのに落ち込んでいるときに優しく声をかけてくれたので心に響いて結婚しちゃった」ということは読書にもあるかも知れません。
さて、内容ですが、ここまで読んだところで面白かったのは
・テキストの読み方は一通りではなく、「読み手は自分の固有の言語知識(語彙、統語、意味)に加えて、常識的知識、それに自分の関心、目的、書き手に対する想定モデル等をもってテキストに対処する。読み手は、書き手の言いなりになる単なる受動的な解説者ではない」(9ページ)
これは先日読んだ三森ゆりか「外国語で発想するための日本語レッスン」のテキスト分析に沿った話です。
・文理解において、表面に現れた文字記号の分析、解釈だけでは真の意味内容を把握することができない場合が多い。(39ページ)
ここでは、常識的知識、世界知識、背景的知識を用いて推論し、補完し理解することとしています。
これらはスキーマ(あるいは私の言うところのフィルター)の一部なのですけれど、私の主張する「言語習得には文化的背景の知識は不要」という説と対立しています。
極めてピュアなビジネスシーンにおいて、文化的背景に根ざした表現は捨象されていくのですが、その一方で、ビジネスの内容。私であれば会計であり金融でありというものは会話する双方が共有している物であり、その意味ではスキーマの共有を前提としています。
私の主張もそもそもは「ネイティブらしい口語表現」などという書籍/アプローチに対する批判を目的としたものですから、特に反対するものではありません。
・記憶について、表現は覚えていないが意味が残る(41ページ)
これは私の「何語で話していたかすら覚えていない」という感覚に近いです。
例文が多くて読むのが大変ですが、頑張って読みたいと思います。
生寅の会 直前ご案内 参加メンバー追加
8月3日(木) 18:50-21:00
「生寅の会」で予約しています。
参加費用。
部屋代 1,100 円を人数で割り、飲み物を一杯注文してその実費。
会の後は、時間のある方は食事に。
近辺のレストランなど各自ご調査いただけると助かりまする。
出席予定
thalassaさん
それいゆさん
まいっちさん
ミヨりんさん
フレンチポップスさん
ちまむさん
せいさん
寅彦
9人!!
今回は、英仏伊独露西中マルタ語とバラエティーに富み、言語学専攻の方もいらっしゃるので私自身も楽しみにしております。
特にテーマは決めておらず、皆さんの興味の赴くままに流れさせたいと思います。
私個人としては、前にも少し書きましたが、
・ある日突然聞き取れるようになったという体験があったかどうか。それは外国語によって異なるか。既にひとつめの外国語ができていた場合とそうでない場合で違いがあるか
・語彙増強法。単語集派か、多読・多聴派か。
・ヴと綴る言葉。外国語発音で発音している日本語の音。(F音、Si音など)
について、みなさんのお話をお伺いしたいと思っています。
部屋は12名まで入れます。参加ご希望の方はご連絡ください。
寅